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黒耀石研究センター

【活動記録】招聘海外研究者よる特別講演会および長和町民大学の開催

2010年12月08日
明治大学

八島湿原にて ドボシ博士(左),クズミン博士(中),小野教授(右) (写真:島田和高)八島湿原にて ドボシ博士(左),クズミン博士(中),小野教授(右) (写真:島田和高)

センターの研究事業は,主要な目的の一つに黒曜石研究の国際ネットワーク構築をあげています。今年度は,ヤロスラフ・クズミン博士(ロシア科学アカデミーシベリア支部地質鉱物学研究所)とヴィオラ・ドボシ博士(ハンガリー国立博物館)をセンターに招聘し,黒曜石と石器時代研究に関する学術交流を実施しました。

お二人は,9月8日〜9月15日の間,明治大学と鷹山黒曜石原産地遺跡群とセンターのある長和町に滞在しました。滞在中,9月11日には研究者を対象とした「黒耀石研究センター特別講演会」をリバティタワーで開催しました。また長和町では,センターと縄文時代黒曜石採掘鉱山の視察を行い,明治大学と長和町が共同で主催している長和町民大学で,海外の黒曜石研究について町民を対象とした講演を行いました。

ドボシ氏とセンターは,ハンガリー国立博物館で展開している“Lithotheca”と呼ばれている,石器原料となる石材の体系的なコレクション(個々の試料には,採取地や理化学的分析等の詳細なデータが付与されている)とその研究活用について意見交換をしました。その後,明治大学文化財分析施設からハンガリー国立博物館に代表的な日本列島の黒曜石原石サンプルが提供され,Lithothecaのコレクションに付け加わりました。クズミン氏とは,次年度以降にロシア各地における黒曜石原産地の視察を行うことなど,具体的な研究交流について話し合いが行われました。

【明治大学黒耀石研究センター特別講演会】
日時:2010年9月11日(土)13:00〜16:00
会場:明治大学リバティタワー1021教室
演題:
ヴィオラ・ドボシ氏「ハンガリーとその隣接地域における旧石器時代の黒曜石利用」“Obsidian use in the Palaeolithic in Hungary and adjoining area”
ヤロスラフ・クズミン氏「上部更新世後半のロシア極東および隣接の北東アジアにおける黒曜石利用のパターン」“The patterns of obsidian exploitation in the late Upper Pleistocene of the Russian Far East and neighbouring Northeast Asia”