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黒耀石研究センター

【活動記録】信州黒曜石フォーラム2010の開催

2010年12月09日
明治大学

黒曜石フォーラム2010予稿集表紙黒曜石フォーラム2010予稿集表紙

黒耀石研究センターは「信州黒曜石フォーラム実行委員会」の一員として,長野県旧石器文化研究交流会および野尻湖ナウマンゾウ博物館とともに「信州黒曜石フォーラム2010・第20回長野県旧石器文化研究交流会−中部高地石材原産地と消費地をめぐる諸問題−」を共同開催しました。

信州黒曜石フォーラムは2009年からはじまりました。フォーラムは,長野県及び関連市町村が推進してきた黒曜石原産地と遺跡の調査・研究並びに保存・活用の実績を踏まえ,信州霧ヶ峰・八ヶ岳の黒曜石原産地と周辺の地域における石器時代の黒曜石利用を様々な学問領域から包括的に議論することを通して,黒曜石の生成と原産地の成り立ち,黒曜石利用を巡る人とモノの動き,黒曜石から見た石器時代史と社会の復元などのテーマに取り組んでいます。

主催者である「信州黒曜石フォーラム実行委員会」には,岡谷市教育委員会,諏訪市教育委員会,茅野市教育委員会,佐久穂町教育委員会,長和町教育委員会,下諏訪町教育委員会,長野県教育委員会,長野県立歴史館,長野県埋蔵文化財センター,長野県考古学会,明治大学博物館,明治大学黒耀石研究センターが参加しています。

近い将来には,信州産黒曜石がもたらされた遠隔地をフィールドとする研究者や北海道,九州各地の黒曜石研究者とも連携し,石器時代とその研究における黒曜石の重要性をアピールします。黒曜石フォーラムは,より広域にわたる黒曜石原産地と周辺遺跡群の保存・活用に資する様々な提言を行うと同時に,市民と研究者に開かれた自由な議論の場として機能します。

【信州黒耀石フォーラム2010・第20回長野県旧石器文化研究交流会−中部高地石材原産地と消費地をめぐる諸問題−】

主 催:信州黒曜石フォーラム実行委員会 長野県旧石器文化研究交流会 野尻湖ナウマンゾウ博物館
日 程:2010年10月2日(土)13:00〜16:30 2010年10月3日(日)9:30〜13:00
会 場:信濃町総合会館
事務局:明治大学黒耀石研究センター

10月2日(土)
司会:島田和高(明治大学博物館)
基調報告1:野尻湖遺跡群における黒曜石産地推定分析データの集成と解析 谷 和隆(長野県埋蔵文化財センター)
基調報告2:信州産黒曜石原産地における原石産状と石材獲得のあり方について 大竹憲昭(長野県埋蔵文化財センター)
基調報告3:栃木県高原山黒曜石原産地における原石産状と人類遺跡 国武貞克(奈良文化財研究所)
基調報告4:諏訪湖底曽根遺跡と黒耀石原産地をめぐる地域文化の形成過程  及川穣(東京国立博物館)
基調報告5:縄文草創期前半から後半にかけての石器石材利用について—野尻湖周辺及び新潟県域の事例から— 橋詰 潤(明治大学黒耀石研究センター)
基調報告6:石器製作行動と黒曜石の流通—関東地方の石器群の状況から考える— 小菅将夫(岩宿博物館)
特別展「オノの石,ヤリの石」(野尻湖ナウマンゾウ博物館)見学

10月3日(日)
司会:大竹憲昭
講演会 石材の流通−見えないものをどう捉えるか 小野 昭(明治大学黒耀石研究センター)
基調報告7:旧石器時代における石斧の石材原産地・採集地の推定 中村由克(野尻湖ナウマンゾウ博物館)
基調報告8:旧石器時代初頭における石斧の形態と機能 須藤隆司(佐久市教育委員会)
総合討論(司会:島田和高・大竹憲昭)
閉 会