Go Forward

黒耀石研究センター

【活動記録】「史跡星糞峠黒曜石原産地遺跡」整備に伴う発掘調査

2010年12月09日
明治大学

1.調査風景 (写真:黒耀石研究センター)1.調査風景 (写真:黒耀石研究センター)

2.3Dレーザー計測を行いました(中央の機械で遺跡とその周辺地形を立体的に記録しました) (写真:黒耀石研究センター)2.3Dレーザー計測を行いました(中央の機械で遺跡とその周辺地形を立体的に記録しました) (写真:黒耀石研究センター)

3.現地説明会の様子 (写真:黒耀石研究センター)3.現地説明会の様子 (写真:黒耀石研究センター)

発掘調査は9月〜10月にかけて第1号採掘址で行われました。

調査は長和町が主体となり,黒耀石研究センターが協力を行ったほか,各大学の考古学研究室に参加者を募集して行いました。センターからは会田進副センター長,矢島國雄明治大学文学部教授(調査団長,センター員),橋詰潤特別嘱託(センター員)が調査に参加しました。

2007年から再開された昨年までの調査では,無数に重なり合う採掘排土に一定のまとまりを持った単位(「層群」)が存在することが明らかとなり,層群の境界面を平面的に追跡することによって当時(縄文時代)の地表面が検出されるなどといった成果が得られています。

本年の調査は再開された第1号採掘址の調査の4年目にあたり,昨年検出された縄文時代の地表面の広がりの確認や,さらに古い時期の地表面の検出を目指しながら,時期決定が難しい採掘活動の展開と変遷を解明することを目的に進められました【写真1】。

その結果,当時の採掘活動の痕跡である竪坑が新たに発見されたほか,多数の黒曜石原石や黒曜石製の石器,黒曜石を加工する際に用いられたハンマーや作業台となった多孔台石(たこうだいいし)などが見つかっています。

さらに本年は発掘区と周辺の地形を立体的に復元することを目的に,3Dレーザー計測を実施しました。こうした最新の記録方法によって,従来は平面的に図示されることの多かった遺跡とその周辺地形を3次元情報として提示することが可能になると期待されます【写真2】。

発掘期間中には第6回黒耀石のふるさと祭りの一環として遺跡説明会が行われたほか,海外からの招聘研究者(ドボシ博士,クズミン博士)による視察などもありました【写真3】。