Go Forward

黒耀石研究センター

【黒曜石研究センター】信州黒曜石フォーラムが開催されました

開催期間:2011年10月22日~2011年10月22日
明治大学

信州黒曜石フォーラム2011が、1022()、長野県茅野市にある尖石縄文考古館で開催されました。同フォーラムは、明治大学黒曜石研究センターと明治大学博物館、それに黒曜石原産地と遺跡の調査・研究ならびに保存・活用を推進してきた長野県及び関連市町村が共同して、信州霧ヶ峰・八ヶ岳の黒曜石原産地と周辺の地域における石器時代の黒曜石利用を様々な角度から包括的に議論することを通して、黒曜石の生成と原産地の成り立ち、黒曜石の利用を巡る人とモノの動き、黒曜石から見た石器時代史と社会の復元などのテーマに取り組むものです。信州黒曜石フォーラムは、2009年度から5か年計画進められており、これまで、「黒曜石研究はどこまで進んだか」、「石材原産地と消費地をめぐる諸問題」のテーマで開催されてきました。今回のテーマは、「黒曜石の一括埋納は何を物語るのか」というものでした。

信州黒曜石フォーラム実行委員会委員長の小野昭明治大学特任教授による挨拶のあと、田中英司(埼玉県さきたま史跡の博物館)による基調講演、「縄文時代における黒曜石のデポ」が行われました。ついで事例報告として、守屋昌文・山科哲(茅野市尖石縄文考古館)「霧ヶ峰南麓・八ヶ岳西麓における黒曜石の一括埋納について——特に茅野市の事例を中心に——」、平出一治「黒曜石の一括埋納 原村の遺跡から」、会田進・河原喜重子 (長野県考古学会)「岡谷市の黒曜石一括埋納について」が行われました。大竹幸恵(長和町教育委員会)「星糞峠黒曜石採掘址と近接地における原石利用の様相」、村松佳幸(北杜市教育委員会)「山梨県の黒曜石一括埋納について」、馬場伸一郎(下呂ふるさと歴史記念館)「弥生時代中部高地のおける黒曜石の集積出土例について」という3つのコメントがよせられました。

最後に討論が行われ、埋納遺構の考古学的定義、埋納されている黒曜石と原産地との関係などについて議論が交わされました。