中部日本の和田峠を中心とする地域には、旧石器時代、縄文時代を通して好んで使われた石器石材であった黒曜石の原産地があります。各時代、各期にわたって豊富に供給されてきた黒曜石の研究は、生業、流通研究など社会構造を考えるうえで重要なものです。
フォーラムは、長野県及び関連市町村が推進してきた、黒曜石原産地と関連遺跡の調査・研究、保存活用を進める事業を出発点としています。フォーラムを進める母体として、実行委員会が設けられており、2009年度からは当センターが事務局を担当しています。
*黒曜石の生成と原産地の成り立ち
*黒曜石利用めぐるヒトとモノの動き
*黒曜石から見た石器時代社会の復元
という諸点を基軸にした研究を進めると同時に、黒曜石原産地遺跡と集散地遺跡・黒曜石が供給された遺跡などの、黒曜石の「絆」で結ばれた長野県の遺跡の保存と活用の道を探ります。