日本経済は、1990年代後半以降歴史的衰退ともいえる状態にある。
著者は、今日のグローバリゼーションの進展のなかで日本経済に衰退の兆候が表れてきたこと、日本企業の活動がグローバル化し、世界的な規模で調達、生産、販売の最適化を目指すグローバル資本へと企業が進化していくなかで国民経済の衰退が始まっていることに注目し、その原因の究明へと向かう。現在のグローバリゼーションの時代を資本主義の歴史のなかの新たな一段階として捉え、その歴史的意味を「賃金と利潤との分配関係の調整メカニズム」とその変遷のうちに求める。それによって今日日本経済が直面している課題が資本主義システム存続の本質に関わる文字通り歴史的課題であることを明らかにする。
本書は、今日の日本経済の現状を世界史的な視野と理論的深まりのなかで捉えようとされており、時流の考え方も俎上に載せられ批判の対象に据えられる。その意味では多分に論争的であるが、同時に一般読者向けにも十分な配慮がなされており読みやすい。
高橋輝好・政治経済学部准教授(著者は政治経済学部教授)
著者は、今日のグローバリゼーションの進展のなかで日本経済に衰退の兆候が表れてきたこと、日本企業の活動がグローバル化し、世界的な規模で調達、生産、販売の最適化を目指すグローバル資本へと企業が進化していくなかで国民経済の衰退が始まっていることに注目し、その原因の究明へと向かう。現在のグローバリゼーションの時代を資本主義の歴史のなかの新たな一段階として捉え、その歴史的意味を「賃金と利潤との分配関係の調整メカニズム」とその変遷のうちに求める。それによって今日日本経済が直面している課題が資本主義システム存続の本質に関わる文字通り歴史的課題であることを明らかにする。
本書は、今日の日本経済の現状を世界史的な視野と理論的深まりのなかで捉えようとされており、時流の考え方も俎上に載せられ批判の対象に据えられる。その意味では多分に論争的であるが、同時に一般読者向けにも十分な配慮がなされており読みやすい。
高橋輝好・政治経済学部准教授(著者は政治経済学部教授)