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シモーヌ・ヴェイユ氏へ 名誉博士学位を贈呈

本学建学の精神「権利自由・独立自治」を体現するヴェイユ氏へ納谷学長より名誉博士学位を贈呈

明治大学は本年創立130周年を迎えたことを受け、11月の記念式典に先立つ9月1日、フランス・パリの駐 仏日本大使公邸にて、現フランス共和国アカデミー・フランセーズ会員ショア記念財団名誉総裁で、元フランス共和国保健相、元欧州議会議長のシモーヌ・ヴェ イユ氏に明治大学名誉博士学位を贈呈した。

このたびの名誉博士学位の授与は、「平和、人間の尊厳、普遍的正義」という本学の明確な意志とメッセージを世界に発信するものであり、130年前、本学 創立者が政府派遣留学生としてフランス法を学び、前身となる明治法律学校を創設したことを振り返り、日本とフランスが世界の平和と人権の確立に向かってと もに歩むことを願って実現したもの。

贈呈式には、納谷廣美学長をはじめとする本学関係者のほか、ヴェイユ夫妻および関係者、日本大使館から齋藤泰雄駐仏大使ほか大使館関係者が出席。式典、レセプションとも厳粛な雰囲気の中にも盛大に挙行された。

学位記の贈呈に先立ち納谷学長は、ヴェイユ氏の自らの体験に基づく人権擁護の活動、保健大臣として人工妊娠中絶の法制度化など女性の尊厳と地位向上のた めの活動、欧州議会議長として「多様性の中の統合」を目指した世界平和の確立への活動などを称え、「ヴェイユ氏の諸活動こそ『権利自由・独立自治』の本学 建学の精神を具現化するものである」と、その功績を顕彰。ヴェイユ氏の名を冠した奨学基金創設を提案し、あいさつを結んだ。

答礼に立ったヴェイユ氏は、名誉博士学位授与への感謝の意を表すとともに、このたびの東日本大震災の被災者へ励ましと希望の言葉を贈った。これは、「ど のような逆境でも希望を失わず生きることがいかに大切か」という、第二次世界大戦時のヴェイユ氏のアウシュビッツ収容所での実体験に起因したもので、ヴェ イユ氏は自らの経験をもとに「人間の尊厳」を守ることの大切さ、社会における男女平等の精神を体現すべく「女性の地位向上」にいかに努めてきたかについて 述べた。

明治大学名誉博士の学位は「学問・芸術その他人類のため、顕著な貢献をした者」に贈られ、今回で30人目の授与となる。これまでの授与者は、元首相で校友の故三木武夫氏▽元ソヴィエト連邦共和国大統領ミハイル・ゴルバチョフ氏▽現マレーシア首相ナジブ・ラザク氏など。

シモーヌ・ヴェイユ

1927年フランス・ニース生まれ。シラク、バール両内閣で保健相を務め、2008年アカデミー・フランセーズ会員に選出された。フランス憲法評議会評議員。大英帝国勲受章者。