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就職特集  —2013年就職希望者に向けて先輩からのメッセージ— 「信じて粘った私の就活」 株式会社日本経済新聞社内定 政治経済学部4年 大西 綾

9月1日、見知らぬ番号から電話がかかってきた。「明日、印鑑を持参して本社に来てください」私の長い就職活動が終わった瞬間だった。嬉しいより、やっとスタート地点に立てる清々しい気持ちの方が大きかった。

中学生の頃から、夢は記者になることだった。記者への漠然とした憧れだけを抱いて明治大学に入学した。どうすればなれるのか、何をしたらいいのか、全くマスコミについて知らずにいた。そんな私が記者の夢を手にできたのは、同じ目標に向かって切磋琢磨する仲間との出会いがあったからだ。記者になったら何を取材したいか想像し、筆記試験前には励まし合って勉強する。記者の夢を叶え卒業していった先輩方に追いつこう、と何度飲み屋で誓ったことか。夢は憧れから「記者になる」気概へと変わっていった。

出会いと環境に恵まれていた私だが、とんとん拍子に内定を手にした訳ではない。新聞社の採用は、春と秋の計2回ある。春採用ではどこの新聞社からも内定がもらえず、秋採用までの3カ月間は苦しい日々だった。周りがどんどんリクルートスーツを脱ぎ去っていく中、内定の無い私は宙ぶらりん状態。記者になりたい、なれない。記者の夢を諦めかけ、腐りかけていたこの時期に励まし続けてくれたのは、他でもなく友人たちだった。飲みに誘ってくれたり、面接前にかけつけてくれたり。「大西なら大丈夫」といつも信じてくれた。友人、同期、OB、自分を分かってくれる絶対的な存在がいたからこそ、どんな私でも胸を張っていられた。

私の就職活動は何も格好良くない。泥臭くて、ださい。自分がどんな人間か考えることが就活だとするなら、粘りに粘った就活は自分の性格にぴたりとあてはまるから面白い。自分のやりたいことを考え抜き、自分で表現するのが就職活動だ。この大切な時間を悔いのないよう、誰よりも充実した時間にしてほしい。私は感謝の気持ちでいっぱいだ。後輩のみなさんの就職活動を心から応援している。