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阿久悠記念館が開館

阿久悠記念館のテープカット 左から、深田雄子氏、長堀理事長、納谷学長、深田太郎氏

明治大学は10月28日、『阿久悠記念館』のオープニングセレモニーを駿河台キャンパス・アカデミーコモン 地下1階の同館で執り行った。セレモニーには、長堀守弘理事長、納谷廣美学長、阿久悠氏令夫人の深田雄子氏、令息の深田太郎氏をはじめ大学役員・役職者が出席した。

『阿久悠記念館』は、故阿久氏のご遺族から自筆原稿をはじめとする、およそ1万点の貴重資料の寄贈を受けた明治大学が、同氏の業績を称え、その遺産を後世に継承することを目的として開設した。

長堀理事長あいさつで、「昭和を代表する作詞家として、日本歌謡史に大きな足跡を残した阿久氏の創作活動に対する情熱は、戦後の困難な時代に『歌詞』で社会に元気を与えた」とあらためて称賛し、「この御茶ノ水の地(母校)で、末永く多くの方に感動を」と期待を込めた。

つづきあいさつに立った納谷学長は、資料の寄贈から開館までの積み重ねを紹介した上で、「時代の流れを敏感に察知し、心の部分を歌詞にするということは 阿久さんにしかできない。創立130周年を迎えた今、新しい形の文化発信の第一歩がこの阿久悠記念館となる」と偉大な作詞家であり、校友の功績を未来へ伝えたいとした。

引き続いて深田氏へ感謝状と記念品の贈呈が行われた。深田太郎氏は、開館準備にあたった関係者への感謝に続けて、「東日本大震災を経験し、心の復興のた めに歌やことばが無力でないことをあらためて実感した。ここは、生きるヒントが詰まっている場所。『歌』と『ことば』、『希望』を欲する方は是非、父に会 いに来てほしい」と述べた。

阿久悠歌謡祭 —愛よ急げ—



『阿久悠記念館』開館を記念して同日夕より、「明治大学創立130周年記念音楽祭 阿久悠歌謡祭—愛よ急げ—」が駿河台キャンパス・アカデミーホールで開催された。

歌謡祭のトップバッターを飾ったのは、明治大学應援團吹奏楽部とチアリーディング部。神宮球場スタンドの興奮そのままに『狙いうち』を披露。大の野球ファ ンだった阿久氏の歌が、高校野球応援の定番曲となった由縁や、10月24日に東京六大学野球大会の秋季リーグで明治大学が完全優勝を成し遂げた硬式野球部 に話題がのぼるなど、阿久氏と野球、そして明治大学とのつながりに会場は大きな拍手に包まれた。

続いて、南こうせつ氏、ささきいさお氏をはじめとする阿久氏に縁のある豪華な歌い手8人が登場。阿久氏が残した名曲の数々を披露し、最後は出演者全員で「青春時代」を熱唱して、今は亡き偉大な作詞家へ、歌によるメッセージを送り閉幕となった。

明治大学阿久悠記念館

日本を代表する作詞家・作家阿久悠は、だれもが知る多数の歌謡曲の作詞を手がけました。その数は5000曲 以上におよびます。都はるみの『北の宿から』、沢田研二の『勝手にしやがれ』、ピンク・レディーの『UFO』などの大ヒット曲をはじめ、アニメソングや CM曲まで幅広いジャンルでヒット曲を数々世に送り出してきました。日本レコード大賞受賞は史上最多の5回、シングルレコードの売り上げは6800万枚を 越え、史上1位です。

その活躍は作詞のみにとどまらず、直木賞候補となった『瀬戸内少年野球団』をはじめとする小説作品や、アフォリズム(警句)の手法を駆使したエッセイ、詩歌を多数発表し、作家として多大な業績を残しました。

2010年、ご遺族から、自筆原稿をはじめとする阿久関係資料およそ1万点が寄贈されたことを受け、同氏の業績をたたえるとともに、その遺産を次世代に継承していくために阿久悠記念館をオープンさせることとなりました。



場所
東京都千代田区神田駿河台1-1
明治大学アカデミーコモン地下1階

開館時間
10:00~17:00

休館日
夏季休業日(8/10~16)
冬季休業日(12/26~1/7)
※8月の土・日曜に臨時休館があります

入館料
無料

問い合わせ
明治大学総務課大学史資料センター
TEL 03-3296-4329