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黒川農場 アグリサイエンスアカデミー



昨年4月、明治大学に環境・自然・地域との共生をめざした新時代の黒川農場が設立された。安全で安心な「食」への関心が高まるなか、「農業」を学ぶ講座、アグリサイエンスアカデミーの人気は増すばかりだ。この春からは、有機農業講座-『農』と『農業』を考える(全16回)と、キッチンガーデン講座-フードマイレージ“ゼロ”野菜を育てる(全10回)の2講座が開講される。その人気の理由の一端を、受講生の天野秀明さんの寄稿で紹介する。

アグリサイエンスアカデミー講座を受講して 

天野 秀明(東京都在住)

私がこのアグリサイエンス講座を知ったのは、2008年の明治大学リバティアカデミー案内で、生田キャンパスで開講すると紹介されていた。

自宅でトマトやなす等を作り、それなりの成果はあげていたが、本格的に野菜栽培を学んだ事はなかったので申し込むことにした。事務局に問い合わせをした時「この講座は初めての試みの講座であって人気もないので、何時申し込んでも大丈夫」と聞き、逆に受講生が集まらなくて中止されるのではないかと心配した。しかし、開講日には20~70代の人達が集まっていて無事に開講された。そして、翌年からは申し込み開始日に満員になるほどの大人気の講座となった。以後、第1回から第4回までは生田キャンパスで、そして5年目となった2012年度はこの黒川農場で学んで(遊んで)いる。

講座は、約月2回、土曜日にあり、毎回諸先生方の1時間半の有機肥料・農薬・病害虫防除・野菜栽培技術等の基礎知識の講座を受け、その後1時間半の圃場での実習という構成である。

圃場での実習は、抽選で決まった自分の区画があり、その管理・収穫は自己責任でするが、最初の整地や畝づくり、マルチ張り、片付け等は先生の指導の下、班ごとの共同作業で行う。班ごとにあれこれ言い合いながら汗まみれになっての共同作業は、仲間意識も生まれ、一人でするよりもずっと楽しい。そして、やはりこの講座の最大の魅力は、本来は付録であるはずの収穫した野菜にある。有機肥料で無農薬ということだけではないのだろうが、本当に美味しい。採れすぎて人に分けることが多いのだが、皆に喜ばれ、これもまたこの野菜作りの楽しみのひとつかと思う。この講座を継続して受講する人が多いのも、こういうところにあるのではないだろうか。