本書は、2人の気鋭の日本史家によって書き上げられた「教養日本史」のテキストである。通常、テキストの類いには、最新の研究動向の紹介や読み手へのメッセージなど期待できないものであるが、本書は違う。本書は、例外的に面白く斬新なテキストである。
大化改新(645年)から沖縄返還(1972年)までを全12章に分けて論じて行く。律令時代の巨大計画道路、平安朝の婚姻制度、敵討ちの論理と心理、「闘茶」、戦国の城、江戸民衆の朝鮮観、黒船ショック、文明開化と大衆芸能、韓国併合、台湾同化政策、「植民なき植民地」沖縄。本書は一般的通史ではない。社会史・文化史を中心にトピックを取り上げ、各時代に生きた人々の姿を鮮やかに描き出していく。
著者たちは長大な日本史を語り終えた後に、終章において「歴史とは、つねに『現代を生きる』人たちによって意味を認められた過去の事象の集合体」であると論じ、「危機の時代」の日本史と、失敗の歴史と向き合い隠蔽を暴く「現代歴史学」の積極的な意味を訴える。
横井勝彦・商学部教授(著者は情報コミュニケーション学部教授・商学部教授)
大化改新(645年)から沖縄返還(1972年)までを全12章に分けて論じて行く。律令時代の巨大計画道路、平安朝の婚姻制度、敵討ちの論理と心理、「闘茶」、戦国の城、江戸民衆の朝鮮観、黒船ショック、文明開化と大衆芸能、韓国併合、台湾同化政策、「植民なき植民地」沖縄。本書は一般的通史ではない。社会史・文化史を中心にトピックを取り上げ、各時代に生きた人々の姿を鮮やかに描き出していく。
著者たちは長大な日本史を語り終えた後に、終章において「歴史とは、つねに『現代を生きる』人たちによって意味を認められた過去の事象の集合体」であると論じ、「危機の時代」の日本史と、失敗の歴史と向き合い隠蔽を暴く「現代歴史学」の積極的な意味を訴える。
横井勝彦・商学部教授(著者は情報コミュニケーション学部教授・商学部教授)