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伝統野菜「のらぼう菜」の共同研究契約を川崎市・神奈川県と締結

「のらぼう菜」を手に、記念撮影に応じる3者の代表(右から竹本副学長、福田川崎市長、北神奈川県農業技術センター所長)

明治大学は5月7日、川崎市など関東地方西部の伝統野菜「のらぼう菜(な)」に関する共同研究契約を同市、神奈川県との間に締結した。3者の研究機関による品質特性の解明と栽培技術の確立を通じて、「のらぼう菜」の高品質化や生産の安定化を図り、地域特産物としてのブランド確立を目指している。

この日、川崎市役所で行われた共同会見には、同市の「次期農業振興計画策定懇談会」座長も務める竹本田持副学長(教務担当、農学部教授)、福田紀彦川崎市長、北宜裕神奈川県農業技術センター所長らが登壇。

福田市長は「お互いの得意分野を生かして一層の品質向上を図り、葉物が不足する時期に流通できるよう、地域特産物として普及させていきたい」と抱負を述べ、竹本副学長は「本学が持っている極めて専門的な知識を生かせるということで、今回の契約は非常に意義深い」と今後の共同研究への意欲を示した。

研究実施期間は2015年5月7日から2018年3月31日で、明治大学農学部農学科野菜園芸学研究室(元木悟准教授)、川崎市農業技術支援センター、神奈川県農業技術センターの3機関が共同研究を行う。

元木准教授らの研究によると、「のらぼう菜」の生産をめぐっては、地域や生産者ごとに出荷物の形態が異なり、品質のばらつきの大きいことが課題となっている。他の茎葉菜類に比べて糖度が高く、アスコルビン酸(ビタミンC)も多いことなどから、品質の向上や栽培技術の確立が望まれている。

明治大学と川崎市は2007年12月、相互の知的資源や地域資源を活用し、研究・開発による産業・科学技術の振興や市民の生涯学習推進などを図ることを目的とした「基本協定」を締結している。

のらぼう菜



川崎市の菅地区で古くから自家用に栽培されている野菜。花蕾および茎葉を食用とし、茹で上がりの鮮やかな緑色と甘みが特徴。先行して産地化に取り組んでいる東京都の系統に比べ川崎市の系統は早生性が強い。葉物が不足する2月下旬から4月に収穫・出荷される。
(『かながわの地方野菜』から抜粋し一部加筆修正)