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理工学研究科 新領域創造専攻 第2回「ジェインズ・ウオーク」を向島で開催

科学技術や人文科学を組み合わせてまち歩き

向島の文化的痕跡をたどり、アート的要素を探して歩くチームも(撮影:笠間悠貴) まち歩きの成果を取りまとめ中の「ドンツキの全周映像化」チーム(撮影:谷玲香) ドーム型ホールの壁面に映写して、まち歩きの成果を発表(撮影:谷玲香)

大学院理工学研究科新領域創造専攻は4月26日、昨年に引き続き、日本で第2回目となる「ジェインズ・ウオーク(Jane’s Walk)」というまち歩きイベントを主催。関係者の注目を集めた。

ジェインズ・ウオークとは、まち歩きを通して都市の多様な魅力を再発見するイベント。都市の街区や街路の多様性を生み出す条件を論じた著作「アメリカ大都市の死と生」で著名なジェイン・ジェイコブスの名を冠にし、彼女の誕生日の5月4日前後に開催される。昨年は世界25カ国・134都市で行われ、4万人以上が参加した。日本では、東京都中野区で昨年初めて開催された。新領域創造専攻が主催し、中野キャンパス周辺の多様な魅力を再発見した。

今回の舞台は、東京スカイツリーのたもとに広がる路地のまち・向島(墨田区北部)で、地元のNPO法人向島学会と新領域創造専攻が共催。本学の大学院生や一般市民ら約60人が8チームに分かれて歩き、その成果をユートリヤ(すみだ生涯学習センター)で発表した。

各チームのテーマは、「玉ノ井を訪ね、寺島なすを探す」「路地のまちを五感で感じ素描する」「B級建築&路上観察さんぽ」「自然を探して路地を踏破する」「ドンツキの全周映像化」「向島の観光情報を聞き書きマップ化」「向島は動物園」「向島をめぐるアートのはなし」の8つで、ユートリヤを起点に昼休みをはさんで向島の路地を3時間たっぷり歩いた。

今回の企画の特徴は、向島のまちに詳しい向島学会のメンバーがまち歩きのガイドになり、そこに新領域創造専攻の教員らの科学技術や人文科学の知見を組み合わせ、まち歩きの成果を表現した点にある。

例えば、福地健太郎准教授が開発した全方位ミラー使用の全周映像記録装置でドンツキ(行き止まり路地)を撮影し、山本俊哉教授と共同研究している原田豊氏(科学警察研究所部長)が開発した「聞き書きマップ」というGPSロガーとカメラとICレコーダーを連動させたソフトでデジタルマップを作成した。また、倉石信乃教授のチームは、永井荷風「墨東綺譚」で知られる玉ノ井を歩き、写真を通して玉ノ井の今昔を語った。鈴木俊治客員教授のチームは、ジェイン・ジェイコブスが示した都市の多様性の条件を念頭に全感性を使ってまちをとらえ、スケッチで表現した。

それらの成果は、昨年までプラネタリウムだったドーム型ホールの大きく湾曲した壁面に映写して発表された。多様な見方・方法で向島のまちをとらえることにより、向島のまちの持つ多様な魅力を共有することができた。8チームの成果は向島学会のホームページ( http://www.mukojima.org/activity/other/)に掲載されている。

参加者アンケートには「多種多様なテーマが面白かった」(30代女性)、「向島の多様性を味わうことができ、大変良かった」(50代男性)、「プレゼンが未来的で面白かった」(20代女性)などの感想が寄せられた。来年は、ジェイン・ジェイコブスの生誕100年にあたり、新領域創造専攻では来年もジェインズ・ウオークの開催を検討している。

(理工学研究科新領域創造専攻)