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博物館企画展「江戸から東京へ—錦絵に見る日本近代の曙」を開催中



博物館では、第9回江戸アートエキスポ(主催:NPO法人東京中央ネット)の関連展示会場として、幕末明治維新期の錦絵をテーマとする企画展を開催している。本学の博物館では明治期を中心とする約850点の錦絵を収蔵しており、特色あるコレクションの一つとなっている。

当時の錦絵は時事情報を伝達するニュース媒体としての機能をもっており、新奇な事物や、事件、戦争などが画材として取り上げられた。絵師が想像を交えて描くケースがあり、図像としての信憑性については一考の余地もあるが、当時の世相や流布した情報、人々の関心事を知る史料として教育研究への活用が期待される。

今回の展示では、江戸が東京となった初期の風景を描いた錦絵が紹介されている。蒸気機関車や銀座のガス灯など文明開化を象徴する事物、築地ホテル館、第一国立銀行、日本橋の三井組ハウスといった初期の洋風建築、官公庁の建物や学校の新設などが注目を浴びたことがわかる。また、銀座通りが煉瓦街として整備されたことから、あたかも東京が近代都市に一変したかのように描いたものがある一方、実際には江戸以来の古風な街並みが中心街の大部分を占めていたこともわかる。昌平橋架け替えにともなう御茶ノ水界隈を描いた作品にも注目いただきたい。10月16日までの公開。会期中無休、入場無料(博物館事務室)