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和歌山県連携講座 「和田勇シンポジウム」を開催

和田氏の功績を改めて顕彰する機会となった

明治大学の生涯学習機関・リバティアカデミーは2月24日、和歌山県連携講座「和田勇シンポジウム~東京にオリンピックを呼んだ男~」を駿河台キャンパス・アカデミーホールで開催した。

この連携講座は、和歌山県に縁のある偉人について、その功績を顕彰することが目的。7回目となる今回は、1964年の東京五輪招致の立役者の一人である和田勇氏にスポットを当てて行われ、約800人が会場に集った。

和歌山県の仁坂吉伸知事のあいさつに続いて、スポーツジャーナリストの二宮清純氏による基調講演「東京オリンピック 1964年から2020年に向けて」が行われた。二宮氏は、和田氏がアメリカで事業を起こす際に培った交渉力や常に先を見据えた行動力を挙げ、「真の国際人だったのではないか」と持論を展開。さらに、中南米諸国での招致活動を自費で行っていたエピソードを紹介し、「高貴な精神に基づく和田氏の“一肌脱ぐ”という気概を私たちは忘れてはならない」と解説した。

続くパネルディスカッションでは、仁坂知事、二宮氏に加え、1964年東京五輪体操男子団体および吊り輪の金メダリストである早田卓次氏、シドニー五輪女子競泳代表の萩原智子氏、日本オリンピック・アカデミー理事の後藤光将政治経済学部教授が登壇。和田氏の功績や人物像、受け継ぐべき精神などさまざまな話題について議論を展開し、2年後に迫った東京五輪へ期待を高めていた。

和田 勇(1907-2001)

和歌山県出身の両親が渡った先のアメリカで生まれ育った日系アメリカ人。戦後、ロサンゼルスで実業家として活躍し、全米水泳選手権大会に出場する日本選手団の受け入れを契機に、1964年東京五輪招致の準備委員会委員に就任。「祖国日本のために」と歴訪した中南米諸国から投票を得るなど、東京招致の大きく貢献した。