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第589回明大スポーツ新聞部ズームアップ

文/高野順平(情コミ2) 写真/木田諒一朗(情コミ3)

大舞台で残した一つの悔い逆襲胸に飛躍を誓う サッカー部 須貝 英大



7月3日に行われた天皇杯2回戦。サッカー部は2年連続でJリーグを制した日本サッカー界最強のチーム・川崎フロンターレと対戦した。ジャイアントキリングを果たすべくチーム一丸となって王者へと挑むも、高い壁を打ち破ることはできず。0—1で涙を飲むこととなった。

その光景は今もなお目に焼き付いている。左MFとして出場を果たした須貝英大(商3=浜松開誠館)。1点ビハインドのまま迎えたアディショナルタイム2分。最大にして最後のチャンスは、須貝の目前にやってきた。ゴール前でクロスを受け、GKと1対1の場面で果敢にシュート。しかし、ボールは無情にも枠外へ。「自分のせいで負けた」。大歓声を背に受けながら戦った夢のような時間は、ホイッスルとともに終わりを告げた。

「もしあの選手が出ていたら…」。試合後には各方面からこのような声が聞かれた。全日本大学選抜に参加した主力選手を欠いたままゲームに臨んだ明大。だが、大会前の2試合の公式戦でいずれもゴールを決めるなど好調を維持していた須貝は、実力でスターターの座を射止めたはずだった。「勝負の世界なので、結果を出すことができなかった以上はどう言われても仕方ない」。注目されることの厳しさ、自分の実力不足を肌で感じた。もう二度とこんな思いはしたくない。悔しさを原動力に、須貝は再び動き出す。

「全てにおいて実力が足らない」。川崎戦から2週間が経った今、須貝はがむしゃらに練習を続けている。「とにかく結果を出したい。チームの勝利に一つでも多く貢献したい」。

まだまだ強くなれる。一度敗北を知ったから。いつの日か再び須貝の名がとどろく日が来るだろう。今度こそ正真正銘のヒーローとして。
(すがい・ひでひろ 商3 浜松開誠館 170㎝・67㎏)