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第594回 明大スポーツ新聞部ズームアップ

逆境を糧に歩みを止めない努力型プレーヤー アメリカンフットボール部 九里 遼太

文・写真/素宮愛結(営2)



集大成を笑顔で飾った。秋季リーグ・最終節、優勝が決まった早大に苦戦。その中で一矢報いる活躍をしたのがWR#5九里遼太(政経4=明大明治)だ。試合終了まで残り26秒。15ydのパスを受けTD(タッチダウン)を獲得。「最後の最後にTDを取れて本当にうれしかった」。チームは敗れたが九里の表情は決して暗くなかった。

小学生の空手全国大会5位入賞、高校でもバスケ部の主将として躍動した九里。しかし大学から始めたアメフトでは「先輩にたくさん怒られた」。特に頭脳を使った戦法に苦戦。当初は何十にもなるフォーメーションを覚えるのもままならなかった。しかし「並ならぬ準備と苦労をすれば心から楽しめるし、実は結ばれる」。試合のビデオを何回も見返し、プレーを研究。体づくりでは幼少期から通う整体師にアドバイスを聞き、自分の体に適した練習メニューを作成した。努力を積み重ね、3年次からスタメンに抜擢されると今年度は学生王者・関西学院大との定期戦で逆転サヨナラTDのパスをキャッチ。さらに緊張感が張り詰める中「ここで勝ったらヒーローになれるぞ。楽しんでいこう」と明るい性格を生かし、チームの士気も上げた。「勝負どころで必ず成果を出す。尊敬している」(OL#56北村遼太朗主将・総合4=関西大倉)。九里の活躍なしには今季のグリフィンズを語れないほどのエースへと成長した。

次なる舞台は社会人アメフトだ。「苦労を積み重ねた先に光は必ず待っている」。グリフィンズで培った栄光と苦労の日々を胸に。さらなる上のレベルへ挑戦する。
(くのり・りょうた 政経4 明大明治 174㎝・76㎏)