Go Forward

本棚「デジタル社会の多様性と創造性」—ジェンダー・メディア・アート・ファッション— 田中 洋美・高馬 京子・高峰 修 編集(明治大学出版会、税込3080円)



—— 刻々と変わりゆく現代社会はどのような様相を呈し、これからどこに向かうのか。

本書の表紙に付された言葉にあるように、現代社会は加速度的に変化している。この数年でも、世界は未曾有のコロナパンデミックに見舞われ、「核戦争」の言葉がちらつくウクライナ戦争が勃発し、当分先だと思われていたAI技術はすでに生活の一部となっている。現代は常に予測不可能で、私たちの日常を脅かし続けている。

では、私たちは、この不確かで脆弱な時代において、いかにしてジェンダーやダイバーシティ、そして承認の問題と向き合うべきであろうか。

2010年に開設した本学ジェンダーセンターは、それらの問題領域を中心に据えた研究を行ってきた。その成果である本書では、歴史学やスポーツ、セクシュアリティ、暴力などの各分野における最新の研究動向、そして変動の激しいデジタル社会におけるメディア、アート、ファッションなど13の視点から分析が行われている。激動の時代を捉え、思考する術を、本書を通じて学ぶことができるだろう。

竹﨑 一真・情報コミュニケーション学部特任講師(編者は情報コミュニケーション学部准教授・情報コミュニケーション学部教授・政治経済学部教授)