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本クラスターの目標

 漆を用いた工芸は日本の伝統技術であり文化である。漆の関わる化学は、石油などの化石資源に依存しないもの作り、天然材料や自然のサイクルを利用したもの作り、いわゆるグリーンケミストリー GreenChemistry(環境に優しい化学)に関係し見直されている。漆は天然資源であり、木を育てて資源を得る、いわゆる栽培型材料です。そのほかラッカーゼ酵素により酸化重合が進む高分子化学に関係し、有機溶媒を含まない塗料・接着剤で環境保護、エネルギーの有効利用の観点からますます重要な植物由来の材料であると認識されてきました。

 本漆の研究クラスターは、我々が今取り組んでいる大型研究「漆の戦略的研究基盤形成事業」や「科学研究費」と連携して、その相乗効果で漆の研究開発を進展させたい。また国内外の漆の研究者や技術者と協力体制を構築し、ネットワーク化を進め、漆に関わる最新の情報発信、研究成果の発表、講演会・シンポジウムを開催する活動にも取り組んでいます。また漆に関する国内外の研究者・技術者と連携し、特に若手研究者や博士号取得を目指した若手院生の育成を推進することで本漆の研究クラスターが国内外の「漆の研究拠点」になることを目指しています。