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農場のコンセプト ~農業研究の黒川農場~

黒川農場のコンセプト

黒川農場は、農学部(生田キャンパス)の近くに立地し、年間を通じて体験型実習教育および研究活動に対応できる多目的な都市農場を実現するため、下記の3つのコンセプトを基本としています。

1.環境共生

有機栽培をはじめとする、環境保全型農業の実践から生まれる環境との共生

2.自然共生

生物多様性の保持とともに、子供・市民・学生等への環境教育の場として活用する里山との共生

3.地域共生

地域と連携した研究交流、社会人を対象とした「アグリサイエンス講座」の開講等、地域との共生

設計コンセプト

本館(木造ハイブリッド構造)

黒川農場のコンセプトを具現化し、アグリエコファームのシンボルとなる環境建築づくりと、親しみやすく暖かみのある施設とするため、再生可能(持続可能)な素材を用いた建築、周辺環境と調和した建築、暖かみのある素材を用いた建築としました。

農場のシンボル的施設であり、アカデミー棟、展示温室等の地域活動ゾーン、加工実習棟等、教育・研究ゾーンをつなげるゲート的役割をもつ本館を、木造化しかつ、RC造・S造を適材適所に用いた架構システムである「ハイブリッド構造」としました。

地域、農場のシンボルとしての施設、利用者を迎えいれる開放的な施設、各研究・実習の機能を重視した施設、周辺の緑に馴染む施設、それぞれの場に群としてのテーマを持ち、全体として自然に融合したデザインを目指しました。

施設全体のデザインコンセプト

1.農場のシンボル的施設群/本館、展示温室

多目的な都市農場を実現するため、3つの新農場のコンセプトを具現化し新農場の顔となるデザインとしました。
本館:交流広場を囲み建物と広場が呼応する開放的なデザイン
展示温室:農学部のシンボルとなり周辺に馴染むデザイン

2.アプローチ廻りの施設群/管理棟、アカデミー棟

地域交流を目指す大学として利用者にとって親しみのもてる開放的なデザイ ンとしました。  
管理棟:木造とし緑化により新農場の正門としてまた、地域に開かれた大学の正門として開放的で情報発信機能を備えたデザイン

3.研究・実習施設群/温室、加工実習棟、ハウス作業棟

実習教育と基礎、応用的研究の実践の場としての機能とシンボル性を重視したデザインとしました。
温室:機能を確保しながら多連棟屋根によりスケールダウンしたデザイン
加工実習棟:太陽光発電、屋上緑化を建築と一体的にデザイン
ハウス作業棟:周辺景観に配慮し温室屋根とも統一された屋根デザイン

4.倉庫群/実習圃農機具庫、実習圃洗車場、有機圃農機具庫、肥料倉庫他

周辺の地勢、緑と建物配置、形態、色彩を馴染ませ同化させたデザインとしました。

地域環境に配慮した施設計画

展示温室

開口部はLow-Eペアガラスや断熱ガラスコート、屋根は遮熱塗装を採用し断熱性に配慮しています。
エネルギー資源の有効利用としてバイオマス(木質ペレット)を活用するぺレットボイラーによる空調熱源の採用、太陽光発電、屋上緑化等のエコメニューを採用し、建築デザインに取り込みデザインしています。
空調方式として、エコキュート・氷蓄熱方式を採用し空調負荷の低減を図り、農地への散水に井水の利用、照明は蛍光灯を主体にLED 照明を採用、温室は環境制御を行い本館にて監視制御が行えるシステムとする等、省エネを図っています。
また、アカデミー棟は神奈川県木造事業補助対象とした神奈川県産木材使用によるLVL工法や、内外装材に県産材を利用しています。