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第4回「大岡信賞」に野村喜和夫氏(明治大学・朝日新聞共催)

2023年03月03日
明治大学 広報課

あいさつする野村氏(写真=すべて朝日新聞社)あいさつする野村氏(写真=すべて朝日新聞社)

大六野学長によるビデオメッセージ大六野学長によるビデオメッセージ

選考委員らとの記念撮影の様子選考委員らとの記念撮影の様子

明治大学と朝日新聞社が共催する「大岡信賞」の第4回授賞式が3月2日、朝日新聞東京本社で開催され、受賞者の野村喜和夫氏に賞牌と賞状が贈られました。

同賞は多様な芸術領域に大きな足跡を残し、戦後日本を代表する詩人の大岡信氏(元法学部教授)をたたえて2019年度に設けられました。今回の授賞は、野村氏の詩集「美しい人生」における光と音の魅力が際立つ円熟した成果、および長年にわたり、現代詩をけん引してきた創作活動が評価されたため。

ビデオメッセージで祝辞を寄せた大六野耕作学長は、受賞した野村氏の作品の一節「光すなわち泥 泥すなわち光」に言及し、「光と泥は表裏一体。たとえ抜け出すことが困難な泥の中にいたとしても、常にあるべき姿を追い求めていく。そのことが今、必要になっているのではないでしょうか。野村さんは、詩という形で日常生活のさまざまなものに内在する素晴らしさ、豊かさ、そして生の尊さ、美しさをうたい、問いかけてくれています」と語りました。

受賞者スピーチで野村氏は、大岡氏から「今の現代詩の世界で、野村ほどの詩バカはいない」と、ほめ言葉として「詩バカ」と呼ばれたというエピソードを紹介し、「大岡信という名前を冠した賞をいただくのは、格別な感慨がある」と述べました。スピーチの最後には、「生ある限り『詩バカ』を貫いて、21世紀の日本語の詩に多少とも寄与していきたい」とあいさつし、さらなる創作活動への決意を語りました。

大岡信賞

1965年から87年まで明治大学法学部助教授・教授として教壇に立ち、朝日新聞にコラム「折々のうた」を1979年から2007年まで連載した、戦後日本を代表する詩人の大岡信さんをたたえ、時代や社会を貫く力をもった広い意味の「うた」を生み出すことで、新たな芸術表現を開拓した個人または団体に贈られる賞。

過去の受賞者
【2019年度第1回】佐々木幹郎氏(詩人)、巻上公一氏(ミュージシャン)
【2020年度第2回】岬多可子氏(詩人)
【2021年度第3回】小島ゆかり氏