伝統的工芸品(信楽焼)のマーケティング研究

伝統的工芸品(信楽焼)のマーケティング研究

2007年度に立ち上がった「伝統的工芸品の経営とマーケティング」プロジェクトにおいては、商品部門が収集・展示資料としている伝統的工芸品の内、在学生教育への活用という点で学生に比較的なじみのある陶磁器を中長期的な研究対象として定めています。これまでに、第1期は瀬戸赤津焼(愛知県:施釉陶器 20072009年度)、第2期有田焼(佐賀県:磁器 20092012年度)、第3期備前焼(岡山県:無釉焼締陶器 20132015年度)、第4期山陰地方の陶器(鳥取・島根県:陶器 2016~2018年度)について取り組んできました。
 第5期としては、必ずしも手作りの伝統的工芸品だけで成り立っているわけではない陶磁器産地の内実を検証するため、同時に近代的な工程による製品も多く生産・出荷する信楽焼(滋賀県)を対象として、2019年度からの3ヶ年の研究対象としました。

《活動》
調  査 調査員を産地に派遣してメーカーや商社、所管官庁などの関係者に対するヒアリング調査をおこなう。
     また、東京都内を中心とする小売店の視察・ヒアリング調査をおこなう。

特別講義 ヒアリング調査を実施した協力者の内から講師を選定し、商学研究科及び商学部講義の拡大版として開催。
     他研究科院生、他学部生、一般社会人にも門戸を開く。

研究発表 『明治大学博物館研究報告』『明治大学博物館年報』誌上に特別講義の抄録や調査報告を公開。

資料収集 調査成果に基付き標本として資料を収集。

展 覧 会  調査研究終了の翌年度に成果発表の企画展を開催する。


—これまでの成果—
調  査 第1回調査2019年3月(長野地区窯元ショールーム、信楽焼振興協議会、陶芸の森)
     第2回調査2019年9月(丸滋製陶、古谷製陶所、卸売商社ショールーム)
特別講義 2019年11月29日 
進化する信楽焼の伝統—陶器の流通・販売についての多様な可能性—
        講師:
長谷川善文氏(信楽焼振興協議会事務局長補佐)
研究発表 「特別講義抄録」(『明治大学博物館研究報告』25号、2020年3月)

—2020年度~2021年度の活動について—
2020年3月には第3回調査を予定していましたが、新型コロナウイルス感染拡大にともない無期限の延期と
なりました。その後、2020年8~9月、2021年3月、8~9月の調査時期においても感染の収束する
目途が立たず現地調査を前提とするプロジェクトゆえに残念ながら活動が中断している状況です。
今後は伝統工芸士、卸売商社へのヒアリング調査及び産業統計等のデータ収集を計画しています。