明治大学博物館友の会 行事予定

講演会 「日本考古学2024」

実施日 2024年10月5日(土)  13:00~16:10 (12:45より入場可能)
場 所 明治大学駿河台キャンパス グローバルフロント2階 4021教室 
講演テーマと講師
講演 1)  「同位体分析による縄文人の食性と生業の多様性」
講 師:米田 穣(よねだ みのる) 氏 (東京大学総合研究博物館教授)
【 講 演 要 旨 】
日本先史時代の食生活は、縄文時代までは野生の動植物を獲得することで食料を調達したのに対し、弥生時代になると水田稲作を中心とした食料生産によるものに変化したとされる。一方で、土器圧痕からマメ科植物の種子大型化が見出され、縄文時代に植物栽培があった可能性も議論されている。完新世前半に世界各地で食料生産がはじまる過程を生物学的にみると、ヒトと野生生物の共進化として説明することができる。この枠組みを参照すると、種子大型化だけでは縄文時代のマメ類栽培の証拠とはならない。重要なのは、植物を管理対象すなわち資源として意識していた証拠と、生産物を中心とした社会への再構成の証拠である。演者は、縄文人が実際に利用した食物の全体像を記録している人骨の同位体比から、縄文時代の食生活について研究してきた。人骨では、縄文時代早期から地域によって全く異なる食料を使用する多様な文化と、集団内での個人差が確認できたが、食生活の明確な時代変化は認められない。近年では、地域における変化を詳しく調べるために、調理の際に付着したオコゲである土器内面の付着炭化物に分析対象を広げ、縄文時代における食生活の変化を資源利用史の研究することが可能となったので、研究の進捗を紹介する。(講師より)
 
講演 2 ) 「道具としての縄文土器~多様化とその背景~」
講 師:阿部 芳郎(あべ よしろう) 氏 (明治大学文学部教授)
【 講 演 要 旨 】
縄文時代を特徴づける道具に土器がある。1万年を超える長さを持つ縄文文化の中で土器は異様ともいえる多様な変化を遂げた。中には国宝に指定された美術品としての高い評価を受けた資料もある。16500年前に遡る最古の縄文土器には無文で形態も単純な深鉢形であるが、以後の変化のなかで形態や装飾の多様化が顕著になる。また後期以降の土器は器種ごとの組成率が異なる。精製土器や粗製土器といった作り分けも見られる。本来縄文土器は生活の道具として作られたものなので、これらの土器の作り分けの背景には、当時の生活が反映されていると考えることができる。
本講演では土器を生活の道具として考える視点から、土器の器種の多様化や組成率などの特徴から道具としての縄文土器の特質について考えてみたい。 (講師より)
【 実 施 要 領 】
定 員 先着順 90名
参加費 無料(友の会会員限定。但し、この機会に入会される方は参加できます。当日会場にて納付)
締切日 9月21日(土)必着 *定員になり次第締切りますのでお早めにお申し込みください。
申込方法
事前申し込みが必要です。電子メール、はがきによりお申込みください。Fax不可。
記載事項:氏名、電話番号、会員番号、入会希望(一般の方、住所も)、「日本考古学2024」参加と明記。
宛先:〒101-8301 東京都千代田区神田駿河台1-1  明治大学博物館友の会
申込みアドレス:meihakutomonokaig★gmail.com(★を@に置き換えてご利用ください。)
 共同主催 明治大学博物館・明治大学博物館友の会
 

<中・近世史講演会 >(対面による)「椿井文書-日本最大級の偽文書」

講師:馬部 隆弘 (ばべ たかひろ)氏 (中京大学文学部教授)
【 実 施 要 領 】
実施日 2024年10月19日(土) 14:00~15:30 (13:45より入場可能)
会 場 明治大学駿河台キャンパス グローバルフロント3階 4031教室
定 員 先着順 90名  Zoomによる視聴はありません。
参加費 無料(友の会会員限定。但し、この機会に入会される方は参加できます。)
締切日 10月5日(土) 必着
※定員になり次第締切りますのでお早めにお申し込み下さい。
申込方法 事前申し込みが必要です。電子メール、はがきによりお申し込みください。Fax不可。
記載事項:氏名、電話番号、会員番号(会員の方)、入会希望(一般の方、住所も)、「中・近世史講演会」参加と明記ください。
宛先:101-8301 東京都千代田区神田駿河台1-1  明治大学博物館友の会
申込みアドレス:meihakutomonokaig★gmail.com(★を@に置き換えてご利用ください。)
 共同主催 明治大学博物館・明治大学博物館友の会
 一般の方の年会費支払方法 当日会場にて納付していただきます。
【講 演 要 旨】
椿井文書(つばいもんじょ)とは、山城国相楽郡椿井村(現京都府木津川市)出身の椿井政隆(つばいまさたか・1770年生まれ1837年没)が、依頼者の求めに応じて偽作したもので、中世の年号が記された文書を江戸時代に写したという体裁をとることが多い。そのため、見た目には新しいが、内容は中世のものだと信じ込まれてしまうようである。彼の存在は、研究者の間でもあまり認知されてこなかったため、正しい中世史料として世に出回っているものも少なくない。近畿一円に数百点もの数が分布しているというだけでなく、現在進行形で活用されているという点でも他に類をみない存在といえる。
本講演では、偽文書(ぎもんじょ)であるにもかかわらず、椿井文書がなぜ信用されてきたのか、そのカラクリについて説明するつもりである。具体的には、前半で椿井文書を作成する際の手順やそこで用いられる巧みな技術について紹介する。そのうえで、後半では椿井文書が地域的にどのように広まってきたかについて言及する。膨大な数の椿井文書が広い範囲で信じられてきた実態を把握することで、偽文書という我々の日常生活からは縁遠いと思われる物が、実は身近なところに入り込んでいることを感じ取ってほしい。そうした現状を知ることで、歴史との付き合いかたについて考えるきっかけになればと思っている。 (講師より)

【 講 師 紹 介 】
1976年生まれ。熊本大学文学部卒業。大阪大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。枚方市教育委員会、長岡京市教育委員会、大阪大谷大学文学部などを経て、現在中京大学文学部教授。専門は日本中世史・近世史。
主な著書に『戦国期細川権力の研究』(吉川弘文館、2018年)、『由緒・偽文書と地域社会—北河内を中心に—』(勉誠出版、2019年)、『椿井文書—日本最大級の偽文書』(中央公論新社、2020年)などがある。

<宿泊見学会>「北武蔵から南下野の遺跡を巡る2日間」

5年振りの宿泊見学会が再開されます。リニューアルオープンされた金錯銘鉄剣のさきたま史跡の博物館見学をはじめとして赤土層の石器岩宿遺跡を経由し、南下野の遺跡を巡り、環状盛土遺構の寺野東遺跡で締めくくるコースといたしました。ふるってご参加ください。
【 実 施 要 領 】
実施日 2024年11月6日(水)~7日(木)
集 合
JR高崎線熊谷駅 在来線改札口 午前8時20分
*集合場所と解散場所が異なりますのでご注意ください。
宿 泊 ホテルサンルート栃木 tel0282-24-5858
*シングルルーム基本
見学予定
コース
※天候等で変更の場合があります。
(1日目)8:30熊谷駅バス出発~埼玉古墳群・さきたま史跡の博物館~忍城跡~昼食~岩宿遺跡・岩宿博物館~史跡足利学校~太田天神山古墳~17:50ホテル着
(2日目)8:00ホテルバス出発~大谷資料館~根古谷台遺跡~昼食~栃木県埋蔵文化財センター~天平の丘公園散策(下野国分尼寺跡・下野国分寺跡・しもつけ風土記の丘資料館等)~琵琶塚古墳・魔利支天塚古墳~寺野東遺跡~JR宇都宮線小山駅17:30解散
 参加費
32,800円(予定額)
(貸切バス、宿泊費、食事代:朝食1、昼食2、夕食1を含む、保険料など)
※参加人数により参加費が変動する場合があります。
定 員
35名(先着順、会員限定)
 申込方法
メールまたは往復はがき(FAX不可)。
郵便番号・住所・氏名(ふりがな)・年齢・電話番号・携帯番号・会員番号・「宿泊見学会」係と明記の上、お申込みください。
 締切日 10月6日(日)
【 主 な 見 学 場 所 】
(1)埼玉古墳群(さきたま史跡の博物館)
5世紀後半から7世紀中頃にかけて大型古墳が連続して築造された古墳群。特徴として概ね一致した主軸方向、方形の二重周堀、墳丘西側の造出しで統一、稲荷山古墳より国宝金錯銘鉄剣が出土。
(2)忍城跡(行田市郷土博物館)
映画「のぼうの城」の舞台、中世の武将成田氏の居城。近世、徳川家ゆかりの大名が代々城主となる。江戸時代から続く足袋産業の重要有形民俗文化財を展示。企画展 「布をまとう-古代人の衣-」開催予定。
(3)岩宿遺跡(岩宿博物館、岩宿ドーム)
日本にも旧石器時代が存在していたことが証明された遺跡。発掘調査、明治大学。
(4)史跡足利学校
創建は奈良時代から鎌倉時代まで諸説あり。室町時代に関東管領上杉憲実が学校を整備し学生の養成を行った。16世紀初めには生徒数3000人を数え、フランシスコ・ザビエルにより海外にも紹介される。
(5)根古谷台遺跡(うつのみや遺跡の広場)
縄文前期の大規模集落跡で縄文時代の社会構造、精神構造を探る上で重要な遺跡。
(6)天平の丘公園
下野国分寺跡、下野国分尼寺跡、しもつけ風土記の丘資料館見学予定。
(7)寺野東遺跡
旧石器から近世まで長期間にわたる複合遺跡、縄文後期~晩期の環状盛土遺構。竪穴住居跡は石囲い炉をもち土器片、石器、礫が多量に出土。土偶、耳飾り、土版、土錘などの土製品、多くの石錘、石棒、独鈷石、玉類などの石製品、鹿角製品や装飾具など遺跡全体から多種多様な遺物が発見されている。

2024年度行事予定表

明治大学博物館友の会(2024年5月8日現在)
2024年 見学行事 講演会等企画
4月  
 
5月 21(火)第26回会員案内による地元見学会 「川崎市を訪ねるPart3-古代川崎の行政・文化の中心地“橘樹”の地をゆく—」
 
6月  
1(土) 総会特別講演会「弥生時代観を見直す-70歳の視点-」石川日出志氏(明治大学文学部教授)
7月  
6(土)琉球史講演会「琉球王国と種子島」 屋良健一郎氏(名桜大学国際学部上級准教授)(Z)
8月    
9月
 
 
10月  
5日(土)日本考古学2024
阿部芳郎氏(明治大学文学部教授) 
米田穣(みのる)氏(東京大学総合研究博物館教授)
 
19(土)中・近世史講演会 馬部(ばべ)隆弘氏(中京大学文学部教授)
11月 6日(水)~7日(木)<宿泊見学会>「北武蔵から南下野の遺跡を巡る2日間」  
12月  
テーマ別講演会 アイヌ文学 中川裕氏(千葉大学文学部教授)
2025年
1月
 
第27回古代史講演会
2月 江戸時代を探訪するPart10  
3月  
会員発表会&学芸員講演会

4月 第27回会員案内による地元見学会  
(2024年5月8日現在)
(注)講演会の日程・講師は予定のもので変更などもあり得ますので、ご了承願います。
   Z:Zoom利用によるリモート講演会をいう。 
ハイブリッド講演会(会場参加とオンライン併用)における申込方法および留意事項について
これまで、オンラインでの講演会には参加の叶わなかった会員の方々に、博物館教室での対面講演を実施する運びとなりました。この機会に是非博物館にもお越しくださいますよう心よりお待ち申し上げております。

申込方法:会場参加、オンライン参加のいずれかとし、事前申込みが必要です。
 会場参加:普通はがきに限定、Fax不可。
 ※電子メールをお持ちの方もはがき申し込みとなります。
 記載事項:住所、氏名、電話番号、会員番号(会員の方)、入会希望(一般の方)、「○月○日○○○講演会」参加 と明記
 ※「○○○講演会」には申込みをしようとする該当講演会名を記載願います。
 はがき宛先:〒101-8301 東京都千代田区神田駿河台1-1 明治大学博物館友の会○○係
 定員に達してご参加できない場合、または開催方法等に変更が生じた場合に限り、はがきまたは電話にてご連絡いたします。

 オンライン参加:電子メールに限定。 
 申込みアドレス: meihakutomonokaig★gmail.com(★を@に置き換えてご利用ください。)
 件名に「○月○日○○○講演会」参加と明記し、本文に住所、氏名、電話番号、会員番号(会員の方)、入会希望(一般の方)、を記載ください。講演会参加登録用URLを開催前日には送信元のアドレスにお送りします。


お願い:
・会場参加とオンライン参加とで申込方法に相違がありますが、事務処理上の観点から区分いたしましたのでご理解ご協力をお願いいたします。
・特に会場の定員から、より多くの会員に参加いただきたく、これまでZoom講演会に参加された方には申込み状況によりオンライン参加をお願いすることもありますので、ご理解ご協力をお願いいたします。
・一般の方で今回友の会に入会される場合の年会費は、2023年度会費3000円です。お支払い方法につきましては、次のとおりです。
 会場参加:当日会場にて納付していただきます。
 オンライン参加:電子メールによる申込みがあった場合、受付状況等を確認のうえ振込み口座等を返信いたします。


【新型コロナウイルス感染対策について】
・マスクの着用をお願いいたします。
・当日、発熱または体調不良の方は、会場でのご参加を遠慮願います。
・ご入場時は、必ず入口での消毒にご協力をお願いいたします。
※新型コロナウイルス感染拡大の影響により、開催方法や会場等に変更が生じる場合がありますので予めご了承ください。