2013年10月10日~12月10日の54日間にわたり、前場幸治瓦コレクションの整理成果報告を兼ねた特別展を開催しました。総数が1万点に及ぶことが明らかになったコレクションのうち、特にバリエーションが豊かな天平期の資料に焦点をあて、東大寺創建期の軒丸瓦や国分寺・国分尼寺の瓦など代表的な資料50点のほか、東日本では初めての展示となる安芸国分寺木簡や但馬国分寺の風鐸を含む国内28か所の機関から借用した約100点もあわせて展示されました。圧巻は、会場中央に設置された高さ3.6mに及ぶ実物の1/30スケールの上総国分寺七重塔模型です(市原市教育委員会蔵)。今また、会場では中村博子氏製作の上総国分寺復元CGも上映され、七重塔模型とあわせ、往時のまさに「天平の華」にふさわしい壮麗な姿を来場者に印象付けました。会期中の来場者は5,144名、栄原永遠男氏(東大寺史研究所長)による開幕記念講演会(参加120名)、吉村武彦氏(明治大学古代学研究所長)ほかによる記念シンポジウム(参加202名)も開催され、広くコレクションの存在を周知することができました。