企画展「ウイリアム・ガウランドと明治期の古墳研究」
明治期のいわゆる「お雇い外国人」の一人であったウイリアム・ガウランドは、大阪に建設された造幣局で冶金の専門技師として勤めながら、100か所以上にのぼる日本各地の古墳を調査して測量図や写真という形で記録を残し、帰国後に論文としてその成果を発表しました。あわせて、イギリスに持ち帰った考古資料群はロンドンの大英博物館で「ガウランド・コレクション」として収蔵され、一部は常設展示されています。ガウランドの古墳研究は日本の古墳研究の先駆けとして高く評価されており、近年ではコレクションについても一般にその存在が知られるようになりました。明治大学博物館は、2006年に後藤和雄氏(元朝日新聞編集委員)よりガウランドが撮影した明治期の写真(複写)の寄託を受けたことを契機として、関係資料の調査と研究、また展示による一般への公開を行い、日本におけるガウランド研究の拠点となっています。また、日英の研究者で構成された研究グループ・Gowland Projectは、大英博物館に所蔵されているコレクションの全容の解明を目指して2010年から細部にわたる調査を進め、2011年には一瀬和夫氏(京都橘大学)をリーダーとして科学研究費(基盤研究B)を得て、過去にガウランドが調査した古墳の再調査を実施しています。その結果、現在の研究視点から分析することで、コレクションの全体像やガウランドの調査や研究の実像など、新たな事実が明らかになってきたのです。
明治大学博物館とGowland Projectが共同で開催する今回の展示は、造幣局などに残された資料からガウランドの足跡をたどるとともに、日本の研究者によるこれまでのガウランド研究のあゆみを振り返ります。そして、芝山古墳・見瀬(橿原)丸山古墳・鹿谷古墳群などガウランドが調査した古墳の再調査や再検討の成果、また日本では直接見ることができない大英博物館所蔵コレクションについて、明治大学博物館が所蔵する明治期に撮影された古墳の写真の数々と、近年のGowland Projectによる詳細なコレクションの実測図面と写真、そして3次元計測によって製作されたレプリカ等から、新たな成果とその実像について紹介します。
■主 催:明治大学博物館・日英共同調査グループGowland Project
■後 援:特定非営利法人WAC Japan(認可申請中) WAC-8京都実行委員会
■会 期:2014年9月6日(土)〜9月28日(日)
■会 場:明治大学博物館特別展示室
■開館時間:10:00〜17:00(入館は16:30まで) 会期中無休
■入 場 料:無料
チラシ(表)
チラシ(裏)