明治大学博物館

大塚初重氏のご逝去にあたって(明治大学博物館)

2022年07月25日
明治大学 博物館事務室

 2022年7月21日、明治大学名誉教授であり、初代明治大学考古学博物館長の大塚初重氏が逝去されました。
 大塚氏は終戦・復員後の1946年に明治大学の二部(夜学)に入学され、1950年の文学部史学科考古学専攻の設立とともに日本史学専攻より転じ、後藤守一教授・杉原荘介助教授の指導のもと、国の重要文化財となっている静岡県登呂遺跡、群馬県岩宿遺跡、神奈川県夏島貝塚など、戦後の日本考古学の礎となった数々の発掘調査に携わりました。氏の手掛けられた調査は旧石器時代から近世と幅広く、東北から九州の全国24都府県・79か所という驚異的な数に及んでいます。当館の常設展示室・考古部門の展示では、42遺跡のうち実に20遺跡を占めており、主要部分が構成されていると言っても過言ではありません。なかでも、専門であった古墳の発掘調査は千葉県能満寺古墳を皮切りに、茨城県三昧塚古墳、同玉里舟塚古墳、同虎塚古墳、長野県大室古墳群などであり、東日本の古墳時代研究の進展に大きく寄与しました。
 文学部助手、同専任講師、同助教授、同教授、文学部長、明治大学評議員、同理事を歴任される中で1983年に明治大学考古学陳列館長となり、1985年には同年に発足した明治大学考古学博物館の初代館長に就任されました。9年に及んだ在任中には他大学に先駆けて生涯教育に取り組み、一般向け講座「考古学ゼミナール」の開講、その参加者によって組織された「博物館友の会」の活動支援を推進されました。いずれも30年以上を経た現在も継続しており、大学博物館による生涯教育モデルの成功例として高く評価されています。
 1997年のご退職後も、本学リバティアカデミーに引き継がれた考古学ゼミナールや友の会講演会・見学会への数十回に及ぶ出講など引き続き生涯教育に尽力され、また2004年の明治大学博物館発足後は、ご所蔵の調査記録や考古資料の寄贈、博物館主催特別展・企画展や収蔵資料整理に関する協力・指導など言に尽くせないほどの多大なご貢献をいただきました。
 生前のご功労に心より感謝申し上げますとともに、謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

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