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まえがき 金山秋男
第1章
現世と他界/双分された世界のほころび/山中他界/海の彼方の他界/〈他界—現世—死者の国〉の循環/「常世」と「ニライカナイ」の違い/南信州の「踊り神送り」/歩いてゆける「他界」/補陀落渡海/「日本」を超え、「ヤポネシア」へ
第2章
谷川健一と短歌/「ヤポネシア」とは何か/宮古島の神とまれびと論/複合的な世界観/宮古島の神と森を考える/柳田国男と折口信夫/「あかるい/明るい冥府」/魂はどこへ還っていくのか
第3章
石原莞爾と宮沢賢治/国柱会とは何か/田中智学の「八紘一宇」/石原莞爾『最終戦争論』/「最終戦争」とは何だったのか/宗教に支えられた「最終戦争」/ドリームランドとしての岩手県/異界との交流/神羅万象すべて仏/人間は世界の中心ではない/「本当の幸福」を求めて/犠牲と贈与/自己犠牲と他力
第4章
深沢七郎の言語道断さ/モノの延長としての人間/民俗学が扱えるより前の〈古層〉/〈古層〉の見分けかた/柳田國男と折口信夫の仕事/民俗学を賦活する/吉本隆明の南島論/天皇論/古層ソフトを開発せよ!
索引
金山秋男(かねやま・あきお)
明治大学法学部専任教授、明治大学死生学・基層文化研究所代表。1948年、栃木県生まれ。東京大学大学院博士課程修了。著書に『歎異抄』(致知出版)、『「生と死」の図像学』(至文堂)、『巡礼——その世界』(風間書房)、『人はなぜ旅に出るのか』(風間書房)、『生と死の東西文化史』(方丈堂出版)、『古典にみる日本人の生と死』(笠間書院)。