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科学研究費採択課題詳細 2006年度

文字瓦・墨書土器のデータベース構築と地域社会の研究

研究課題名 文字瓦・墨書土器のデータベース構築と地域社会の研究
研究種目等 基盤研究 (B)
研究概要 (研究実施計画)
(a)出土文字の集成と研究
①文字瓦のデータベース構築
 千葉県の五斗蒔遺跡の文字瓦(一般の瓦を含む)の悉皆調査と茨城県台渡里廃寺等の文字瓦の調査を継続するとともに,千葉県・茨城等の関東地域の遺跡における文字瓦の熟覧調査を継続し,調査カードを作成する。
 次に,古代都城を含めた文字瓦研究の成果と課題を整理し,文字瓦に関係する報告書・概報などの研究報告と研究文献を引き続き精査し,研究文献と報告書等の文献目録のデータベースを作成し,パソコンに入力する。
②関東地域の詳細な墨書土器データベースの構築
 推進中の千葉県・茨城県(常陸)と山梨県(甲斐)に続き,相模国・上野国・下野国の墨書土器の熟覧調査を実施して,調書カードに基づくデータベース構築の作業を開始する。
 なお,旧武蔵国のデータベースの補訂作業を継続する。
③全国の簡易型墨書土器データベースの拡充
 墨書土器(刻書土器を含む)に関係する2001年以降の報告書・概報などの資料・文献の調査を行い,文献目録と簡易型データベース(釈文・遺跡名・所在地・出典データ)を補訂する。
④墨に関する研究
 墨書土器と文字瓦は,基本的に墨が使用される。墨関係の研究を継続する。明治大学の文化財研究施設の設備を活用して,墨の共同研究を行う。

(b)文字資料を用いた地域研究
 地域社会における文字の使用の実態と,その歴史的意義を研究する。フィールドとして,文字瓦と墨書土器が出土する千葉県の竜角寺・五斗蒔瓦窯跡をとりあげ,出土遺物の総点検に基づいた公開研究会を開催する。日本出土の文字瓦は,朝鮮諸国の影響が大きいので,韓国の研究者を招いて比較研究を実施したい。
 さらに,文字資料を中心とし,東国で書かれた文字が意味する思想的・文化的背景や,地域社会の特色を明らかにするため,大阪府堺市の大野寺やその関連遺跡,および藤原宮・平城宮・長岡宮等の古代都城における文字瓦・墨書土器などの遺物・遺跡調査を行い,あわせて全国各地域出土の文字資料との比較研究を実施したい。
研究者 所属 氏名
  文学部 教授 吉村武彦
補助金額(千円)
※直接経費のみ
3,300
研究期間 2004.4~2007.3
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