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科学研究費採択課題詳細 2006年度

走査型熱顕微鏡によるナノ熱物性計測法の開発

研究課題名 走査型熱顕微鏡によるナノ熱物性計測法の開発
研究種目等 基盤研究 (B)
研究概要 (研究実施計画)
 平成18年度には,SiO2を基盤としたカンチレバー上に,熱流計測用サーモパイル,温度計測用熱電対,プローブ加熱用ヒーター,接触熱電対用電極を集積したプローブを試作し,ガラス基板に金電極を持つ試料に金薄膜をコートした試料に対して,接触熱コンダクタンスと接触点温度の同時計測実験を試みた。結果として,接触熱コンダクタンスの顕著な違いに対して,接触点温度計測の感度が著しく悪い結果となった。この原因は,カンチレバー先端部の電極構造がSiO2/Ni/Ptの三層構造であり,酸化防止層として被覆したPt層での温度変化が大きく,検出感度が悪いことが考察された。
 本年度は,上記プローブ先端の電極構造を単純化し,SiO2/NiまたはSiO2/Ptの二層構造として,カンチレバーを試作し,SThM上でフォースカーブモードを利用し,熱コンダクタンスと接触温度の関係を予想通り検出できるか否かの評価試験を実施する。
 また,試料の熱伝導率計測は,試料に被覆された金属薄膜を介して行われるため,この金属薄膜の影響がどの程度の広がりと熱伝導率計測精度に影響するかを熱伝導解析により評価する。
 さらに,熱コンダクタンスと接触点温度の画像計測を実施し,安定した熱物性画像が得られる条件を明らかにし,熱物性値の微細スケール画像計測の評価を行う。
研究者 所属 氏名
  理工学部 助教授 中別府修
補助金額(千円)
※直接経費のみ
2,500
研究期間 2005.4~2008.3
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