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特定課題研究ユニット詳細 2006年度

安全学研究所

研究所名 安全学研究所
研究課題名 安全の知の体系化
安全学のカリキュラムの確立
安全学の教育、普及(セミナー等の実施)
研究所概要 (研究目的・成果達成のイメージ)
 21世紀の科学技術のあり方を考えるとき,安全と環境を重視するようになることは間違いない。従って,安全に関して科学技術と社会・人文科学とを融合した新しい学問分野である安全学は,今後,中心的な課題になると思われる。本研究所は,産官学の連携を通じて,安全学を確立し,本学がわが国の安全学に関しての情報発信の中心になることを目指す。

1.各分野に散らばっている安全に関する概念,技術を整理,分類し,階層化をする(安全曼荼羅の確立)
2.安全の知の体系化を試み,安全の技術の体系化を目指す(技術を中心とした安全学の基礎の確立)
3.安全学の教育のためのシラバス,及びカリキュラムのあり方を研究する(安全学の教育内容の確立)
4.安全と環境について,その連携を探る(安全と環境の連携)
5.分野を限定して(機械安全,製品安全,情報安全等々),カリキュラムの内容を確立する(安全教育カリキュラムの策定)
6.公開講座等を通じて,策定したカリキュラムに沿って,教育の実施を試みる(安全教育の実施)
7.大学,及び大学院レベルの安全・環境教育システムのあり方,進め方の検討
8.社会科学,人文科学等とリスクを経由して安全・環境に関する連携を試みる(安全技術と社会技術との連携)

(研究実施概要)
 安全に関する学問は,科学技術を中心とした自然科学と社会・人文科学とを融合した新しい学問分野である安全学として確立すべきで,今後,我が国では中心的な課題となるはずである。安全学研究所は,産官学の連携を通じて,安全学を確立し,明治大学がわが国の安全学に関しての情報発信の中心になることを目指している。当面の目標として,(1)安全の知の体系化,(2)安全学のカリキュラムの確立,(3)安全学の教育,普及(セミナー等の実施)を実施する。
1.「安全の知の体系化」関連
 構成員である向殿が,日本学術会議安全工学専門委員会,及び,日本工学アカデミーの会員として,安全学研究所の研究の一環として,「安全の知の体系化」に関する研究・調査を行った。具体的には,
1)日本学術会議の対外報告として公表
「安全・安心な社会構築への安全工学の貢献」第1章安全知の体系化,日本学術会議人間と工学研究連絡委員会,安全工学専門委員会報告,2005-6
2)日本工学アカデミーで安全知の連合作業部会を設置し,工学関連の諸学協会と連携して「安全知の連合」委員会を開催し,安全工学フォーラムを2回開催した。
・第1回安全工学フォーラム“安全知の体系化を目指して”,東京大学,2006-2
・第2回安全工学フォーラム“人間とロボットとの共存・共生に向けて-安全確保のアプローチ”,弘済会館,2007-2
2.「安全学のカリキュラムの確立」関連
 構成員である向殿が委員長として,調査研究を実施した。具体的な報告書は以下のとおりである。
1)平成17年度安全工学に関する人材育成プログラムの作成とそのあり方に関する調査研究報告書,(社)日本機械工業連合会,(株)三菱総合研究所,2006-3
2)平成17年度事故対応等の向上に関する調査(製品安全教材の作成に関する調査研究)に関する報告書,明治大学,2006-3
3)平成18年度事故対応等の向上に関する調査(製品安全教材の作成に関する調査研究)に関する報告書,明治大学,2007-3
3.「安全学の教育,普及」関連
 構成員の向殿が主体で,シンポジウム,及び明治大学リバティアカデミーとして,講座を開催した。具体的には以下のとおりである。
1)「安全・安心シンポジウム~市場原理を活用した製品安全社会の実現~」の開催,経済産業省共催,日本工業倶楽部,2005-10-17
2)安全工学の基礎~安全原則を現場実践に活かす手法を考える~,明治大学リバティアカデミー,2005-11-10~2005-12-16
3)安全学入門~製品の安全をどのように考えるか~,明治大学リバティアカデミー,2006-5-13~2006-6-17
4)製品の安全学~危険な製品で市場を脅かさないために~,経済産業省共催,明治大学,2006-10-14~2006-11-4
5)製品安全啓発緊急シンポジウム「つくる安全つかう安全」~共に目指す製品安全~,経済産業省共催,明治大学,2007-3-23
4.出版,講演の実施
 安全学に関する著書の出版,及び国際会議,研究会,及び工業会や企業での安全学の講演を積極的に行った。
研究者 所属 氏名
  理工学部 教授 向殿政男
  理工学部 教授 菊池雅史
    研究技術員 柳川小次郎
  理工学部 助手 辻村壮平
研究期間 2005.4~2008.3
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