「一緒に」学ぶ姿は、本当の兄弟・姉妹のようでした
思い出倉庫には津波で流された品が保管されています
町民の皆さんの人生とともに歩んだ思い出の品々
8月9日から14日にかけて,福島県新地町において東日本大震災による被災地復興支援を目的とした学生ボランティア活動が実施されました。今回参加した学生は,学部間共通総合講座「東日本大震災に伴うボランティア実習」履修学生と商学部鳥居高ゼミナールの学生,文学部平山満紀ゼミナールの学生です。この「東日本大震災に伴うボランティア実習」では,昨年度は座学と千葉県浦安市でのボランティア実習を経て,後半には希望者が大船渡で実習を行いました。
開設2年目にあたる今年度は新地町役場の協力を得て,町が必要としているボランティア活動を行えるように協議・調整のうえ実施することができました。支援活動の内容は「明大生のお兄さん,お姉さんと勉強しよう」と銘打った学習支援活動,「思い出倉庫」と名付けられた倉庫に保管されていた津波によって流された写真,家財,そのほかの品を町民に返却する活動,また図書館での寄贈本の整理や閉架書庫の整理,ビーチクリーン作業など多岐にわたりました。
学習支援では,連日10名以上の小中学生が集まり,夏休みの自由研究や九九の計算など,子どもたちが必要としている事柄に1対1で「一緒に」学びました。最初は恥ずかしがっていた子どもたちも次第に学生に打ち解け,本当の兄弟・姉妹のように親しくなっていました。
思い出倉庫には,5,000枚以上の写真のほか,卒業証書やアルバム,様々な置物など,町民の皆さんの人生とともに歩んできた「思い出の品」がたくさん保管されていました。当日は,データベースや写真の現物を丹念に探され,「兄の写真だ」などご家族の写真と出会い,涙ぐまれながらの姿を学生たちは目にしていました。家族やその絆の重みを感じた瞬間でした。またボランティア活動中に学生は町民の方から3月11日震災当日の様子やここ1年半余りの復興の状況について直接話をうかがうことができ,今一度東日本大震災の復興について考える貴重な機会となりました。