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震災等復興活動

平山ゼミナールによる福島県新地町での活動報告

2014年09月05日
明治大学 震災復興支援センター

エコステーションの管理エコステーションの管理

屋台の手伝い屋台の手伝い

打ち上げ花火の燃えカス回収作業打ち上げ花火の燃えカス回収作業

 平山ゼミナールの学生から、福島県の新地町で行った活動について、寄稿がありましたのでご紹介します。
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 私たち文学部、平山ゼミナールは8月1日から3日まで福島県の新地町に滞在し、「やるしかねぇべ祭り」の手伝いに従事した。「やるしかねぇべ祭り」は東日本大震災からの復興に向け、地域の被災者や子どもたちが笑顔で前進できるきっかけづくりを願って、2011年夏から新地町商工会が主催で開催しているお祭りだ。平山ゼミナールは昨年に引き続き2回目の参加であった。祭りでの3日間の平山ゼミナールの活動を報告する。

【8月1日、準備】
 夜行バスと電車、バスを乗り継いで新地町に到着し、1日の午前中は被災した浜でビーチクリーンをし、13時頃から「やるしかねぇべ祭り」の準備を手伝った。商工会の方や役場職員の方と共に、椅子や机を各テントに搬入する作業、「やるしかねぇべ祭」と印刷されたのぼりの組み立て、各テントの裸電球の取り付けなどを次々とした。途中、激しい雨が降り、作業が滞る時間帯もあったが、17時頃には全作業を終えることができた。

【8月2日、お祭り当日】
 天候にも恵まれ、活気あふれる雰囲気の中「やるしかねぇべ祭り」はスタートした。私たち平山ゼミナールは、ゴミ分別回収所の管理、商工会各団体の屋台の様々な手伝い、ステージの手伝いなどに奮闘した。手伝いをする傍ら、商店の方々と世間話をすることもできた。新地町の方は気さくに話しかけてくださり、よく笑ってくださるので、とても楽しく手伝いができた。「こうして被災地を忘れずにボランティアに来てくれるだけで本当にありがたい」と言ってくださる方もいて、その言葉を聞いただけで新地町に来てよかったなと心から思った。
 また、商店の手伝いをする一方で、持ち込み企画としてクイズコーナーを開催した。多くの子どもたちが参加してくれ、楽しんでいる様子が伝わってきたので、ゼミ生一同満足している。

【8月3日、片付け】
 早朝から会場と周辺の片づけや清掃を行った。数ある作業の中でも特に大変だったのが、祭りのフィナーレを彩った打ち上げ花火の燃えカスの一つ一つを、炎天下の農地を這って手作業で拾い集める作業だった。なかなか先が見えなかったが、地元の方の協力や、冷たい飲み物の差し入れなど、心強い応援のお陰で、無事作業を終えられた。私たち明大生の手伝いが入る前までは、商工会や役場の方たちがこれもしなければならず、大変だったそうだ。その後車で商工会本部へと送り届けていただき、備品の運搬や清掃の手伝いをして、最後は全員で一本締めをして活動を終えた。

【感想】
 昨年の「やるしかねぇべ祭り」参加者の話から予想していたのと比べ、新地町に活気が戻りつつあることを、身を以て体感できた。今回私たちがお手伝いできたことは微々たるものだったが、新地町の復興にほんの少しでも寄与できる部分があったとしたらとてもうれしく思う。
 宿泊は町の公共施設を無料で提供してもらい、体育会ローバースカウト部の皆さんが食事の世話一切を担ってくれた。心から感謝している。
 被災した沿岸部は巨大な造成地になっていて、復興にはまだまだ時間がかかると思った。しかし、今回の活動を通して心の復興は進んでいると感じた。「やるしかねぇべ祭り」も、あらゆる人々の心の復興を支え、新地町の明るい未来を体現する場になっていたと思う。新地町の人々は温かく、明るく、優しい人ばかりで、私たちが元気を与えるどころか、逆にたくさんの元気をもらった。このような素敵な人たちに出会えたこと、素敵なお祭りに参加できたことを嬉しく思う。
文学部平山ゼミナール
3年 上田 航