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震災等復興活動

本学公認サークル「しんちーむ」による福島県新地町での活動報告

2017年04月03日
明治大学 震災復興支援センター

鹿狼山ハイキングの様子①鹿狼山ハイキングの様子①

鹿狼山ハイキングの様子②鹿狼山ハイキングの様子②

特別授業の様子①特別授業の様子①

特別授業の様子②特別授業の様子②

 本学公認サークル「しんちーむ」の学生から、福島県新地町で行った活動について、寄稿がありましたので紹介します。
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 私たち明治大学公認サークル「しんちーむ」は、3月9日(木)から13日(月)までの5日間福島県新地町で活動を行った。今回の活動の柱は3つであった。それは児童館、鹿狼山、そして特別授業だ。
 活動についての話をする前に、少しだけ私たちの話をさせていただきたい。私たち「しんちーむ」は昨年の12月に公認サークルの仮承認が下りたばかりのまだ若いサークルである。そのメンバーの多くは学部間共通総合講座「東日本大震災復興・活性支援ボランティア」の受講生であり、その講座のまとめのボランティア実習として初めて新地町で活動をしたのは2015年の8月である。授業としてはそこで終わってしまったのだが、そのまま新地町との繋がりがなくなってしまうのは寂しく感じ、有志として何度も町に足を運び活動を行ってきた。この活動を私たちの卒業後も続けていきたいという想いがあり、後輩たちを迎えるべく、サークルを設立した。今回行った3つの活動も、すでに経験した活動であるといえる。しかし、やはり初めてサークルとして活動した今回は特別なものであった。

 まず1つ目の活動は新地町にある3つの小学校、新地小学校、福田小学校、駒ヶ嶺小学校に併設される児童館での小学生とのふれあいだ。授業の後や土曜日に、保護者の迎えがくるまで小学生が過ごしている児童館では、非常にパワフルな小学生の姿にふれあうことができた。
 
 2つ目の活動は新地町のシンボルである鹿狼山でのハイキングだ。ここでは地元の小学生1人につき大学生1人がつく形で共に鹿狼山の山頂まで登り、そこでお弁当を食べた。元気な小学生がズンズンと山を登るため、大学生はついていくのに苦労したものだ。また、山を下りた後は広場で小学生と鬼ごっこなどをして遊んだ。やはり山登りの後だというのに小学生は元気なもので、また私たちもその元気さについていくために童心に帰った気持ちで、思う存分身体を動かした。

 そして3つ目の活動、今回の活動の最も大きな柱となった活動は、前述の3小学校での小学5年生を対象とした特別授業だ。特別授業を行うのは総合講座の実習以来2回目となるが、今回が前回と大きく違う点はそれが講義型の授業ではなく、さながら大学のゼミのように、児童同士で議論をする形の授業だったことだ。
 授業の内容は「政治の仕組みに沿って、新地町、あるいは小学校を良くするための行動目標を決めよう」というものだった。授業では、まず事前学習で政治の仕組みを説明する動画を児童に見てもらった。そして実際の授業ではその動画に則り、各班に分かれてマニフェストのような行動目標を作ってもらう。その後マニフェストの中から投票で最もいいものを決め、最後にその決まったものについてさながら国会のように議論をし、それをさらにいいものにするという流れであった。
 実際に行ってみると、議論型の授業の難しさがよくわかった。子供たちから議論を引き出し、それを行動目標に昇華するという作業は、非常に骨の折れるものであった。しかし、最終的には、少しでも自分の意見を出すことの大事さや楽しさを知ってもらえたような気がした。子供たちが楽しみながら自分の意見を言う姿は、今も目に焼き付いている。願わくは、大人になっても自分の意見を臆せず口に出せるようになって欲しいと思った。

 最後に、今回の活動では多くの助言を与えていただき、力をかしてくださった新地町の役場の方や、新地の学校の方への謝辞を述べさせていただきたい。小学校の先生には授業を見守りながら時に助言していただき、終わってみれば先生の力がなければと思うとぞっとするほど多くのお力をいただいた。また、新地町の方には授業のことだけではなく、サークルとしての今後の在り方などについても助言をいただき、非常に胸に刺さった。
 これからはサークル「しんちーむ」として、新地町で多くの経験をしていきたいと思う。
                        農学部 3年  川島大地