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震災等復興活動

新地町図書館でのボランティア活動を終えて

2017年09月29日
明治大学 震災復興支援センター

学生が作成した特設コーナー学生が作成した特設コーナー

新地町図書館で活動した司書課程受講生新地町図書館で活動した司書課程受講生

 本学の司書課程受講生の学生が、9月5日(火)から7日(木)に、福島県の新地町図書館でボランティア活動を行いました。その活動について、参加した学生から寄稿がありましたのでご紹介いたします。
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 図書館での3日間の実習は、とても良い経験となった。司書課程を履修しているとは言っても、授業で学ぶことはあくまで知識であり、授業内では実践に移す機会が設けられていない。このため、このボランティアに参加したから知ることが出来た業務が多くあった。図書館活動初日は、3箇所に分かれてローテーション方式で業務を行なった。
 1箇所目のカウンターでは、貸出・返却を行なっているほか、本の修理も行なっていた。ちょっとした汚れを消しゴムややすりで落としたり、破れをテープで補強したりと、カウンターに人が来ない間も作業を行なっていた。館内では、返却された図書を1つの棚に置いて、順々に元に戻す作業を行なっていた。返却された本をすぐに元の棚に戻さない理由として、作業が大変だからだけでなく、来館者が返却本コーナーに真っ先に立ち寄ることが多いからという理由もあるらしい。
 2箇所目では図書館のHPなどで検索した時に出てくる書誌情報を入力する作業を行なった。タイトルや内容によって、十進分類法に基づいて分類番号を付ける作業だった。分類を判断しかねた場合は、図書館内で同じような内容の本がどこに分類されているかを検索したり、他の図書館の分類を参考にしたりしていた。司書の方に助言を頂きつつ図書を分類してPCで入力を行なった。最後に図書の要約を入力するところがあり、これが難関だった。来館者からこういう本が読みたいと要望があった時に検索ワードとして引っかかるように、核心をつきつつ要約しなければならなかった。司書の方は、よく見開きページや帯を参考にして内容を要約するらしいが、どういった検索ワードがあると検索しやすいのか、どこがこの本のポイントなのかを考えるのがとても難しく、これも司書の方の助言を大いに頂きながらの作業となった。
 3箇所目は、閉架書庫の整理だった。閉架書庫から本を探して取り出し、PCで削除入力をして廃棄するという作業だった。廃棄になった図書は図書館まつりで出すなど、ボランティア団体と連携を取って無料で地域住民に配布しているそうだ。
 2日目は、基本は1日目と同じ業務を行なったが、私達が手こずっていたのもあってか、書誌情報の入力の代わりにブックカバーの貼り付け作業を行なった。この作業を行なって初めて、図書館の本には透明のブックカバーが付いていることを知った。利用する側としては当たり前に感じていたことも、司書の手で貼り付けられていたものだと知って、図書館は図書館司書によって支えられているのだと改めて思った。
 3日目は、司書の方による震災を元にした紙芝居の読み聞かせと読み聞かせの実習を行った。紙芝居は、紙芝居製作のボランティア団体が実際に現場で聞いたことを元に作った紙芝居だった。”命の次に大切なもの”という題の物語で、紙芝居を読み聞かせてくれていた司書さんは泣きながらも最後まで読み聞かせてくれた。私もこの話を聞いて涙が止まらなかった。この紙芝居は、震災を思い出してしまうという理由で、現地ではほとんど読まれていないそうだ。そのため、この紙芝居は図書館に保存され、後に受け継いでいかなければならないと仰っていた。本の読み聞かせは、私が思っていた以上に色々なルールがあり、本の持ち方やページのめくり方などを指導され、実践した。もし子供に本を読む機会があれば、ここで学んだことを実践したい。
 
 図書館活動では、図書館の業務の他に、私達が企画したコーナーを設置してもらうことが出来た。今回は、子供向けの診断チャート、メディアミックスコーナー、来館者のオススメ本コーナー、明大生オススメ本コーナーと4つのコーナーを企画した。4つとも、事前に企画について一通りまとめて持ち込んだものだったが、なかなか進行が捗らず、結果的に、締切に企画を間に合わせることが出来なかった。私は文字のレイアウトなどを考えるのがわりと好きな方なのだが、大学生になると、模造紙を使う機会自体なかなかないため、久々にアナログで作り上げる作業は貴重だった。今回は、私達の準備不足と企画進行能力の低さ、また時間の見積もりが甘かったことが、締切に間に合わなかった原因として大きいと思っているため、またこのような機会があった時には、反省を生かして進行したいと思う。
経営学部3年 赤須 千夏