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宮城県南三陸町での活動を通して

2018年10月04日
明治大学 震災復興支援センター

 文学部の学生が、宮城県南三陸町で震災復興支援ボランティア活動(明治大学公認ボランティアサークル「きずなInternational」の活動の一環として)を行ったことについて、寄稿がありましたのでご紹介いたします。
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 今回の活動で,南三陸町を訪れるのは7回目であったが、これまで以上に南三陸町のことを他の大学生に伝えていきたいと思える活動であった。今回の活動は、先輩として下級生を連れていく初めての活動であったため、移動中やボランティア先などで自分がこれまで身に着けてきたことを教える機会が多くあった。そこでは、ほとんどの下級生が自分の説明に対して、「知らなかった」という反応を示していた。そこで、自分自身は何度も南三陸町を訪れ、さらに興味があって調べていたために当たり前だと思っていたことが、一度も訪れたことのない人にとっては知らなくて当たり前だという状況に気づかされた。このような理由で今後は被災地での活動だけでなく、被災地のことをもっと知ってもらうための活動もしていきたいと感じた。

 そして、今回の活動における最も大きな収穫は、今後の南三陸町でのボランティア活動で何を行っていくべきなのかが、はっきりしたことである。活動の合間に現地の人へのインタビューを行い、震災から7年を経た現在において被災地でのニーズを調査した。すると、子供達の間の交流を増やして欲しいとの意見があった。
 
 南三陸町は復興において高台集団移転を進めた。高台の移転先での工事はほぼ終了しているものの、未だに旧市街地での工事は進められている。こうした環境において、子供達は高台集団移転先ごとに分断されている。自分が住んでいる地区とは異なる地区へ遊びに行くために、大型トラックが数多く行き交う道路を子ども一人で歩かせるのは、親としては心配でさせたくないことだとインタビューした人は話していた。その人の子どもも放課後は友だちとは遊ばずにユーチューブを見てばかりいるということであった。

 この話を聞いて、今後活動すべきことは、学習支援といった子供達同士をつなぎ合わせるための活動であると考えられた。どのようなイベントを催したら交流が盛んになるのか、その交流の機会を現地の子供達だけで継続させていく方法など、今後サークルのメンバーと話し合って、最善の策を見つけ出し、実行に移していきたいと考えている。

文学部2年 椎名 響