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情報コミュニケーション
学部

2016年度「インドシナ経済回廊研修プログラム」」(文部科学省「大学の世界展開力強化事業」採択プログラム)実施報告

2017年10月06日
明治大学 情報コミュニケーション学部

模擬国連会議の風景模擬国連会議の風景

模擬国連終了後模擬国連終了後

NGO団体SEEDsでのブリーフィングNGO団体SEEDsでのブリーフィング

発表の様子発表の様子

中間報告会にて中間報告会にて

キリングツリーキリングツリー

世界遺産アンコールワットにて世界遺産アンコールワットにて

最終発表の様子最終発表の様子

UNにてUNにて

情報コミュニケーション学部は、2017年2月20日から3月16日までの24日間、本学部設置科目「国際交流(インドシナ)」としてベトナム、タイ、カンボジアの3か国を周る短期派遣プログラムを実施しました。14名の学生(1年生7名、2年生4名、3年生1名、4年生2名)が派遣プログラムに参加しました。

このプログラムはバンコクにある国連アジア太平洋本部での講義とシーナカリンウィロート大学英語学科の学生たちと共に行う模擬国連会議の実習から始まりました。
模擬国連会議は、アジア太平洋国連本部にある実際の国連会議場である第4会議室で貧困の撲滅を主題に実施され、学生共同コミュニケを成果文書として同国連本部に提出しました。

その後、5大都市バンコク、ホーチミン、プノンペン、シュムリアップ、ハノイをめぐり、6大学との共同調査・交流学習、3つの国際機関・3つのNGOでブリーフィングやアクティブ・ラーニングを実施しました。
プログラムの殆どは英語で行われ、派遣プログラムの締めくくりとして、3月14日ベトナム・ハノイの国連本部(UN HOUSE)にて、本学部生14名は24日間のプログラムを通して学習したことについて英語による総合報告会を実施しました。

<派遣プログラム・スケジュール>
2月20日(月)タイのバンコクへ出国
2月21日(火)明治大学アセアンセンターにてオリエンテーション。シーナカリンウィロート大学英語学科の文化交流及び模擬国連の準備
2月22日(水)クロント・イ・スラム訪問、ユネスコにてブリーフィング、模擬国連の準備
2月23日(木)タイ国連本部ESCAPにてブリーフィンク、模擬国連の準備
2月24日(金)タイ国連本部ESCAPにて模擬国連実施
2月25日(土)世界遺産アユタヤ研修、バンコク紫紺会と懇親会
2月26日(日)自由行動日
2月27日(月)ベトナムのホーチミンへ出発、NGO団体SEEDsにてブリーフィング
2月28日(火)ホーチミンのスラムにてSEEDsが支援する極貧世帯の家庭訪問
3月1日(水)越日工業大学にて文化交流
3月2日(木)カンボジアのプノンペンへ出発
3月3日(金)カンボジア工科大学・王立プノンペン大学と文化交流
3月4日(土)王宮見学、イオンモール等市内見学
3月5日(日)トゥールスレン、キリングフィールドでの研修
3月6日(月)カンボジア日本人材開発センターにてカンボジア工科大学・王立プノンペン大学と合同報告会
3月7日(火)カンボジアのシェムリアップへ移動
3月8日(水)世界遺産アンコールワット遺跡にて研修
3月9日(木)アンコールワット人材開発機構にて研修、バイヨン村にて子供たちのための運動会を組織化
3月10日(金)ベトナムのハノイへ移動、貿易大学と貿易ゲームの実施
3月12日(土)世界遺産チャンアン、古都ホアローにて研修
3月13日(日)ハノイ外国語大学と文化交流学習
3月14日(月)ハノイ国連本部にて総合報告会
3月15日(火)移動日
3月16日(水)帰国

・バンコク
バンコクでは、本プログラムの最初の難関となる模擬国連(英語会議)を実施した。
今回の模擬国連のテーマは貧困の撲滅であり、ASEAN各国並びに日本を会議参加国とする設定とした。
各国の大使はペア・デレゲイト方式をとり、明治大学の学生とシーナカリンウィロート大学の学生が合同でチームを組んだ。
実際の国連の会議場であるアジア太平洋国連本部第4会議室で実施され、各国の大使が自国の貧困状況とその撲滅に向けた提言を行った。最終的な成果文書として、学生共同のコミュニケを作成し、これをアジア太平洋国連本部に提出した。

また国連では”World Heritage and Sustainable Tourism”、”UNESCO’s work towards in the media; Gender Equality”、”Inequality and Poverty in Asia and the Pacific” についてブリーフィングを受けた。これらブリーフィングで受けた内容は、その後のタイ・カンボジア・ベトナムの全てのプログラムに関係するものであり、各主題の問題点の概要とこれに対処すための諸原則を学ぶものとなっている。

・ホーチミン
ホーチミンでは、NGO団体SEEDsの協力によりベトナムのホーチミンのスラム街を訪問した。SEEDsのスタッフと共に、実際のスラム街で生活をしている家庭を訪問し、彼らの暮らしについてお話を伺った。
このホーチミンの前にも、同プログラムでタイのスラム街に訪問していたが、ホーチミンの貧困状況は極めて悲惨なものであり、満足な家もなく、電気もなく、食べる物も少ない中で、不衛生な生活を送っているため病気にかかっている人ばかりで、学生たちはまさに極貧(Extreme Poverty)を目の当たりにすることとなった。
また、ホーチミン市工科大学との交流活動を行い、盛大な歓迎を受けることができた。

・プノンペン
王立プノンペン大学日本語学部・カンボジア工科大学情報コミュニケーション工学部(使用言語は英語)の学生と合同で討議を行った。
そして、三大学によりカンボジア日本人材開発センターの会議場で本プログラムの中間発表を行った。1)「都市化と持続可能性な開発」、2)「持続可能な観光開発」、3)「メディアイノベーションと社会的影響」、4)「文化交流(正月比較)」の4つのテーマについて、タイでのアンケート調査や経験を含めた発表を行った。
また、プノンペンでは、ポルポト政権の負の遺産である、トゥールスレン、キリングフィールドの見学をした。狂気の政治支配がもたらした残酷な状況に学生たちは、終始言葉をなくしていた。

・シェムリアップ
カンボジアの経済基盤となっている世界遺産アンコールワット遺跡群で観光の持続可能な開発について、現地ガイドや観光関係者に対するヒアリングを行った。
また、NGOのアンコールワット人材開発機構の支援により、バイヨン村の学校で子供たちのために運動会を企画・実施する活動を行った。

・ハノイ
ハノイ貿易大学国際連携部の学生たちと英語による貿易ゲームを実施した。ハノイ外国語大学日本言語文化学部と四主題について交流学習を実施しました。そして、本プログラムの集大成としてハノイの国連本部にて最終発表会を行いました。多忙の中、5名の国連職員の方に発表を聞いていただき、学生の提言に対するコメントなどを頂いた。発表前には、みな緊張で張り詰めた空気が流れていたが、発表ではこれまでの活動の成果が精神面にも発揮され、立派な締めくくりを実施することができた。

最終発表会では、以下の4つのトピックを報告した。
1)「都市化と持続可能な開発」
タイのシーナカリンウィロート大学、カンボジアのプノンペン王立大学・カンボジア工科大学、ベトナムのハノイ外国語大学と協力して、三カ国の大学生へのインタビュー、アンケートを行い、これを集大成したものを報告とした。Sustainable UrbanizationはSustainable Communityか、という重要な問題提起をすることができた。

2)「持続可能な観光」
バンコクのユニセフで国連の持続可能な観光開発9原則についてブリーフィングを受け、これに基づいてアユタヤ、アンコール遺跡群、ニンビン、タンロンの4つの世界遺産での研修で実地調査やヒアリング調査を実施した。報告はこれを総合したものである。

3)「メディアイノベーションと社会的影響」
バンコクのユニセフのコミュニケーション&インフォメーション課によるブリーフィングに基づいて、メディアにおけるジェンダーの表出の仕方についてタイ、カンボジア、ベトナムの各大学でアンケートを実施し、ジェンダーに対する問題意識を喚起するためのキャンペーンを実施するべきであるという提言を行った。

4)「文化の多様性についての持続可能な発展」
バンコク、ホーチミン、プノンペン、シェムリアップ、ハノイで文化交流プログラムを5回実施してきた。この間、経済発展と伝統文化の変容についてタイ、カンボジア、ベトナムでアンケート調査を実施し、そこから文化の多様性を持続可能とする発展とは何かという問題提起を行った。

参加学生氏名(学年は参加時点)
4年生 杉山綾、宮本一希
3年生 小嶋夏奈
2年生 宮澤智美、木下友貴、望月一甫、薮田浩生(政治経済学部)
1年生 小形廉平、山本奈々穂、千葉百合子、横山日向子、勝又遥、中島百合子、西郷悠真、

小嶋夏奈(編集・制作)