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大学の世界展開力強化事業

2020年度国内版PBL型体験学習「JR高輪ゲートウェイ駅周辺地区のまちづくり」を実施しました

2021年02月10日
明治大学 国際連携事務室

ZOOMを用い各国の学生が参加ZOOMを用い各国の学生が参加

理工学部田中友章教授にホストを務めていただきました理工学部田中友章教授にホストを務めていただきました

平成28年度採択大学の世界展開力強化事業の国内型 Project-Based Learning (PBL) の一環として、2021年1月13日(水)に事業者である東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)及び設計者である Pickard Chilton、設計共同企業体(JR東日本建築設計、JR東日本コンサルタンツ、日本設計、日建設計)、株式会社トライポッドスタジオのご協力のもと、高輪ゲートウェイ駅周辺エリアの開発事業にかかるまちづくり事業に関するオンラインプログラムを実施しました。

本学からは、本事業の取組部局である理工学部建築学科田中友章専任教授、政治経済学部齋藤雅己専任講師、情報コミュニケーション学部川島高峰専任准教授、国際連携機構後藤克史特任講師および本学学生が参加し、交流先大学からは王立芸術大学(カンボジア)、カンボジア工科大学、ラオス国立大学、貿易大学(ハノイ)、ベトナム国家大学ハノイ外国語大学、ホーチミン市建築大学(ベトナム)、チュラロンコン大学(タイ)、シンガポール国立大学の学生や教員、本学への留学経験があるシーナカリンウィロート大学の卒業生に加え、協定校以外の学生(ヴァンラン大学(ベトナム))からも多数の参加申し込みがあり、総勢67名が参加しました。

当初の計画では、本プログラムは2020年5月に高輪ゲートウェイ駅周辺に学生を引率し、実際に駅・周辺エリアを視察しながら対面でプログラムを実施する予定でしたが、新型コロナウィルスの感染拡大の影響により協定校からの留学生受け入れがなくなってしまったため、慎重に検討を重ねた結果、オンラインでの実施になりました。

前半は、小室輝久副学長(国際交流担当)の挨拶に続き、田中教授からのプログラムの説明、続いてJR東日本 事業創造本部品川まちづくり部門の村上祐二氏から開発経緯やまちづくり概要の説明、アメリカの建築設計事務所 Pickard Chilton の代表である William D Chilton 氏から開発全体のデザインコンセプトと4街区外装デザインの説明をしていただきました。

休憩をはさみ後半は、参加学生を3グループに分けてディスカッションを行い、本プロジェクトに実際に携わっている事業者や設計者への感想や質問をとりまとめ、グループディスカッション後に質疑応答を行いました。活発な議論がなされ当初の予定より延長して学生への質問に丁寧にご回答いただきました。また学生に向けて実施した事後アンケートからは、「ディスカッションを通じてさまざまな大学の方と考えや視点を共有することができた」等、高評価を得ることができました。

JR高輪ゲートウェイ駅およびその周辺エリアのまちづくりは、日本のハブ空港である羽田空港に直結する品川駅に隣接する新駅として、国内のみならず海外からの駅利用者を見込み、また開発を進めるにあたり近隣住民や周辺地域の歴史、成り立ちにも配慮されたまちづくりとなっています。本プログラムを企画した田中教授より、「この開発プロジェクトは、まさに生きた教科書のようなものである」とのコメントにもあったとおり、ただ近代的な大規模建造物を作るということではなく、そこに至った経緯や各関係者それぞれの想いに触れることができました。今回はコロナ禍でのプログラム実施となったため、実際現地に学生を引率することはできなくなりましたが、逆にアメリカからオンラインで建築家ご本人からも学生に向けてメッセージをいただくことができました。この体験学習を通して、日本の都市開発の最前線の一つについて学び、またオンラインでも学生同士が議論する機会を国内外関わらず提供することができたことは、我々にとっても有意義な成果となりました。本プログラムをきっかけに、各参加学生には、居住国の現状とも照らし合わせながら、各国が抱える課題の解決に向けて何をするべきかを各々が考え、合意形成に至る重要性を理解し、専門分野の枠を超えて協働できる人材として活躍されることを期待しています。