甲骨文字は、古代中国の殷王朝期において占いに用いられた亀の甲羅(腹側)や牛の肩甲骨に刻まれた文字です。紀元前1300~同1100年(日本では縄文時代後期に相当)頃のものであり、王の行動や政治、自然現象に関する占いについて記しています。これらが19世紀末に河南省の殷墟遺跡で発見されたことで、文献上でしかわからなかった殷王朝が実在することが証明されたのです。
今回は、比較的数が少ないとされる第2期と第4期の資料を含む当館所蔵の12点を紹介します。漢字のルーツでもある貴重な資料をこの機会にぜひご覧ください。
<展示資料>第1期卜骨3点、第2期卜甲3点・卜骨6点、第4期卜骨1点