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マルセル・モースに始まる贈与論の系譜。それをカトリックの立場から新たに展開しているのが、現象学者ジャン=リュック・マリオンである。デリダとも論争を繰り広げたマリオンの哲学を、直接薫陶を受けた岩野卓司(本学法学部教授)が本邦初紹介しつつ、現在さまざまな方面で注目を集めている「贈与」という概念を問い直す。各章冒頭に中沢新一によるイントロダクションを収録。
岩野 卓司(いわの・たくじ)
明治大学法学部教授。1959年、埼玉県生まれ。哲学者。専門は思想史。パリ第四大学哲学科博士課程修了。著訳書に『ジョルジュ・バタイユ 神秘経験をめぐる思想の限界と新たな可能性』(水声社)、『セクシュアリティ』(共著)、ジャック・デリダ『そのたびごとにただ一つ、世界の終焉』(共訳、岩波書店)。