第8回公開シンポジウム「未来を拓くロボットテクノロジー」 3月13日(月) 開催
開催期間:2023年3月13日
明治大学 研究ブランディング事業
研究ブランディング事業 Math Ubiquitous:数理科学する明治大学 第8回公開シンポジウム
ロボットは今や私たちの生活にますます身近になり、存在感を増してきました。自分で考えて活動するロボットは自律型ロボットと呼ばれ、数理科学をはじめとした高度な情報処理システムに支えられています。警備活動や自動運転といった私たちの生活をより安心で快適にするロボット、群れをなすドローンの飛行ショーのように私たちの生活をより豊かで楽しくするロボット、宇宙探査や海中探査のように未知なる世界に挑戦するロボットなど、ロボットテクノロジーの発展は人々の負担を軽減し、人生に彩りを与え、新たな知の発見に大きく貢献しています。このシンポジウムではロボットの自律行動を支える理論から実環境における応用まで紹介し、最新のロボットテクノロジーについて俯瞰していきます。
■開催概要
■プログラム
10:05~10:10 大六野耕作 (明治大学学長)
開会の挨拶
10:10~10:40 黒田洋司 (明治大学理工学部教授)
大学発スタートアップによる新しいロボット市場の開拓
10:40~11:10 久保田孝 (JAXA宇宙科学研究所教授)
探査ロボットが宇宙を拓く
11:10~11:40 千葉悟史 (Kudan株式会社執行役員、Kudanソリューション代表)
SLAM技術の未来 人間のように位置がわかることでなにが変わるのか
(休憩)
11:45~12:15 佐々木孔明 (株式会社レッドクリフ代表取締役)
ドローンショーの仕組み
12:15~12:45 松田匠未 (明治大学理工学部専任講師)
海中ロボットシステムが拓く無人海洋探査
12:45~12:55 嶋田総太郎 (明治大学理工学部教授、教務主任)
明治大学理工学部「数理・データサイエンス・AI教育プログラム」の紹介
12:55~13:00 俣野博 (明治大学研究・知財戦略機構特任教授、MIMS所長)
閉会の挨拶
総合司会 石田祥子 (明治大学理工学部准教授、MIMS所員)
■講師プロフィール・講演概要
10:10~10:40 大学発スタートアップによる新しいロボット市場の開拓
黒田洋司
明治大学理工学部機械工学科専任教授/SEQSENSE株式会社共同創業者
1994年東京大学大学院工学系研究科博士課程修了 博士(工学)、1995年より明治大学専任講師。2004-2005年マサチューセッツ工科大学客員准教授を経て現職。2016年に自律型移動ロボットに依る警備システムを開発するスタートアップSEQSENSE(シークセンス)株式会社を創業。専門は自律移動ロボット。
講演の概要
SEQSENSE(シークセンス)株式会社は、大学の研究者が始めたスタートアップです。博士号を持つ社員が何人もいて、先端的な技術を駆使した自律型移動ロボットとそれを用いた警備システムの開発を行っています。ただし、これまで存在していなかった「ロボットによる警備という市場」の開拓は、先端技術だけで出来たわけではありません。ここでは、最先端の自律移動ロボット技術と、それを駆使した警備システムをどの様に構築したかについて紹介します。
10:40~11:10 探査ロボットが宇宙を拓く
久保田孝
JAXA宇宙科学研究所教授
1991年東京大学大学院博士課程修了。その後,富士通研究所で画像処理の研究に従事。1993年より文部省宇宙科学研究所にて宇宙プロジェクトを推進。1997年から1998年にNASAジェット推進研究所客員科学者。2008年より現職。専門は、宇宙探査ロボティクス・人工知能。小惑星探査「はやぶさ」「はやぶさ2」プロジェクトを推進。
講演の概要
人類が再び月面で活動する時代がやってきます。宇宙機関のみならず民間企業も月表面探査に積極的に参画し、近い将来、月面に文明圏が生まれると期待されています。このような時代で活躍するのが、探査ロボットと人工知能です。本講演では、宇宙探査において活躍した探査ロボットを紹介するとともに、今後必要となるロボット技術と宇宙探査の未来像に迫ります。
11:10~11:40 SLAM技術の未来 人間のように位置がわかることでなにが変わるのか
千葉悟史
Kudan株式会社 執行役員 Kudanソリューション代表
2003年早稲田大学政治経済学部卒業。ベンチャーキャピタル、スタートアップCFO(バイアウトによるEXIT)などを経て2016年Kudan株式会社入社。日本事業におけるAR/XRや自律走行ロボットのプロジェクトを担当し、現在はSLAM技術のDXソリューション活用に向けた取り組みを推進。
講演の概要
これまでロボットやコンピュータが「自分がどこにいるか」を知るには、GPSなどの外部電波に頼る必要がありました。しかし、人間は電波が受信できなくても「自分がどこにいるか」わかります。GPSが受信できない建物内でも地下でもわかります。それと同じことをロボットやコンピュータにもやらせようというのが「SLAM」技術です。本講演では、SLAMではなぜ「自分がどこにいるか」がわかるのかを説明するとともに、それによってどんな未来が創られるのか探っていきます。
11:45~12:15 ドローンショーの仕組み
佐々木孔明
株式会社レッドクリフ代表取締役
1994年秋田県生まれ。関東学院大学 建築・環境学部を中退。2016年、世界最大手のドローン企業であるDJIの認定ストア日本1号店にオープニングスタッフとして加わり、ドローンパイロット・インストラクターとして経験を積む。2019年に独立し、株式会社レッドクリフを設立。国内最大規模のドローンショーを運営する。
講演の概要
LED付きドローンを使って夜空にアニメーションを表現する次世代エンターテインメント「ドローンショー」の仕組みを説明します。数百機のドローンがぶつからない様にどの様に制御しているのか、夜空に描くアニメーションをどの様に作成しているのかをお話しします。
12:15~12:45 海中ロボットシステムが拓く無人海洋探査
松田匠未
明治大学理工学部情報科学科専任講師
2015年東京大学大学院新領域創成科学研究科海洋技術環境学専攻 博士課程修了。その後2015年より東京大学生産技術研究所特任研究員、2019年より同研究所特任助教。2020年より明治大学理工学部助教を経て現職。専門は自律型海中ロボットをはじめとしたフィールドロボティクスおよび知能ロボットシステム。
講演の概要
自律型海中ロボット(AUV)による海洋探査が進められています。海洋は地球表面の約7割を占めるにもかかわらず、海中では衛星測位や電波通信も使えないことから、現在もその多くは未知となっています。本講演では厳しい制約がある海中においてAUVをはじめとした海中ロボットが連携することで、海洋探査を高度化する方法とそれによって実現する海洋探査の未来について紹介します。
12:45~12:55 明治大学理工学部「数理・データサイエンス・AI教育プログラム」の紹介
嶋田総太郎
明治大学理工学部電気電子生命学科専任教授、教務主任
2001年慶應義塾大学大学院理工学研究科計算機科学専攻博士課程修了 博士(工学)。2001年より東京大学大学院総合文化研究科研究員、2006年より明治大学理工学部専任講師、同准教授を経て、2015年より現職。専門は認知脳科学、脳機能イメージング、AI・機械学習。著書に『心と身体-認知科学講座1』(東京大学出版会、2022年)、『脳のなかの自己と他者-身体性・社会性の認知脳科学と哲学』(共立出版、2019年)、『認知脳科学』(コロナ社、2016)など。
講演の概要
高度なロボット開発をはじめ、数理・データサイエンス・AIは今後様々な分野で必須の知識・技術となりつつあります。ここでは明治大学理工学部において2023年度から開講される教育プログラムについて、主に高校生の皆さんに向けて紹介し、大学入学後に学べることのイメージを持っていただければと思います。
- お問い合わせ先
-
先端数理科学インスティテュート事務室
〒164-8525
東京都中野区中野4-21-1 中野キャンパス高層棟8階
TEL.03-5343-8067
FAX.03-5343-8068
E-mail:mims●mics.meiji.ac.jp (●を@に変えてお送りください)