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【地域連携活動助成金】活動成果報告 2025年度

瀬戸内・男木島における交流スペースの創出 -島唯一の寺「道場」を介したコミュニティ再生の第一歩としての納屋改修-

代表者
川島範久(理工学部専任准教授)
活動団体
明治大学理工学部・地域デザイン研究室
活動目的
男木島における以前から住む島民と移住者の相互的なコミュニティ形成の場として「道場」を再生する。新しい「道場」を島民に受け入れてもらう第一歩として、隣接する納屋を交流スペースに改修し、自立したインフラと資源の循環が学べる施設とする。
改修にあたっては、男木島および周辺地域(以下島周辺)で入手可能な材料を活用し、建築の専門知識を持たない島民が建設・維持管理・解体を容易に行える構法の研究を行う。これを実践するとともに、改修過程ではワークショップを開催し、そのノウハウを島民と共有する。さらに、これらの成果を展覧会や学会などで広く共有し、研究の発展に繋げる。
また、納屋の改修における一連の活動をコミュニケーションツールとして位置付け、「道場」の再生に向けて本研究室を含め島民や移住者が相互に関係性を深めることにつなげる。 島外への積極的な発信を通じて、男木島に対する興味や関心を獲得し、関係人口の創出に貢献する。 
活動成果
①納屋施工の成果と今後の計画 道場に隣接する納屋を対象に、地域資源を活用した容易な構法の検討を行った。既存躯体を3Dスキャンして作製したパーツや、施工過程で発生する端材・未利用材を活用し、欄間および建具を制作した。また、熱のカスケード利用によるオフグリッドな給湯暖房設備を計画し、学内実験に向けて準備を進めている。さらに、納屋竣工後を見据えて改めた島内調査を行い、道場を含めたマスタープランを作成した。②島内外への発信・共有 食事会やワークショップを開催し島民との交流を深めた。また、運動会、祭り、島内清掃など地域行事にも参加した。展覧会の開催や、学会発表を通じて島外の人へ活動の発信を行った。
連携先/参加学生/参加者からの一言
所属:明治大学大学院 理工学研究科 建築・都市学専攻 建築学系 地域デザイン(川島範久)研究室 氏名:髙木晴生
昨年度から活動に関わる中で、実施設計の知識や地域資源の活用、地域住民との関係性を築くことの重要性について学んできた。島内の廃布団を断熱材として壁内に充填する際には、棚をつくることで、形状の維持が難しい布団を充填することができた。設計課題では扱うことのない素材を構法の工夫によって建築に活かすことができた。
施工時には、音や匂いが周辺住民の迷惑とならないように配慮し、生活に影響を与えないように心がけてきた。さらに地域行事への参加を通じて島民の方との関係を築き、小さなコミュニティならではの関係の広がりやすさを実感してきた。
今年度は道場未来会議を通して、島で暮らしているからこその意見や道場がどのように使われてきたかを知ることができた。こうした意見を基に、道場の役割を大切に引き継ぎながら、島の中でより重要な居場所になるように再構築していきたい。
また、これまでの活動を通して顔見知りの関係は築けていたものの、具体的な活動内容については伝わっていないと感じる場面が多くあった。そのため、自分たちの活動をより詳しく周知していくことが必要だと感じた。
所属:明治大学 理工学部 建築学科 地域デザイン(川島範久)研究室 氏名:森川晃行
今年度より初めて男木島での活動に参加し、これまでに現地で合計3回実践に携わった。
そこで、この活動を継続的に行いたいと感じた理由は、衰退しつつある島の再生に対して外部からの一方的な提案ではなく、島民との関係性の構築そのものを起点としている姿勢に関心を持ったからである。本プロジェクトの意図の一つである、コミュニティ形成の場の再生において、あらゆる活動や交流を通じて島民との対話を重ねながら、ともに一つの拠点を自らの手で作り上げていく、協働的な姿勢に興味を持ち、男木島での活動に取り組みたいと感じた。
また、島民との関わりの中で最も印象的だったのは、固定化された交流にとどまらず、一つの出会いから次の出会いへと展開していく関係性である。これまでに関わった島民の紹介を通じた新たな交流によって、我々の活動を島民や島内で活動する方々に連鎖的に知ってもらう機会が得られるところに小さな離島ならではのコミュニティの特性を感じた。 
主な活動場所
香川県高松市男木町(男木島)
連携地域・連携団体等
香川県高松市男木町(男木島)、畠中廣司氏(男木島自治会長)
福井大和氏(有限会社ケノヒ)、明治大学理工学部・建築構造研究室(富澤研究室)、建築設備研究室(光永研究室)
活動期間
2025年 4月 1日 ~ 2026年 2月 28日
活動内容
2025年4月 【第1回合宿 4/20-4/28】 断熱部屋天井裏施工 島内調査
2025年6月 納屋外構設計
2025年6月 【第2回合宿 5/29-6/5】 断熱部屋天井裏、キッチン電気設備施工
           男木小・中学校運動会参加
2025年7月 【第3回合宿 7/24-8/1】 南側建具、浴室間柱施工
2025年8月 展覧会準備
2025年9月 9/10-9/12 建築学会大会参加
2025年9-10月 9/5-10/19 「自然とつながる建築を目指して 川島範久展」 展示
2025年10月 【第4回合宿 10/2-10/10】 南側建具、欄間施工 島内祭り参加
2025年11月 オンドル実験準備
2025年12月 【第5回合宿 12/15-12/23】 南側建具、欄間、北側外装施工
2026年1月 オンドル実験準備
2026年2月 2/17-2/19 オンドル実験
2026年2月 【第6回合宿 2/25-3/5】 南側建具、欄間施工 成果報告会実施