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新地町図書館でのボランティア活動を終えて

2018年11月05日
明治大学 震災等復興活動支援センター

震災当時の様子について,役場の職員の方からお話を伺いました震災当時の様子について,役場の職員の方からお話を伺いました

本を保護するフィルムを付ける作業も一から教えていただきました本を保護するフィルムを付ける作業も一から教えていただきました

図書館のカウンター業務。合間に本の修繕作業も行います。図書館のカウンター業務。合間に本の修繕作業も行います。

明大生が企画した「図書館クイズラリー」。新地町の方たちが楽しんで下さいました。明大生が企画した「図書館クイズラリー」。新地町の方たちが楽しんで下さいました。

 本学の司書課程受講生の学生が、9月3日(月)から7日(金)に、福島県の新地町図書館でボランティア活動を行いました。その活動について、参加した学生から寄稿がありましたのでご紹介いたします。
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 今回、新地町図書館ボランティアに参加したのは、社会人になる前に「被災地」について知っておきたいと思ったからです。また、普段司書課程で学んでいる知識を活用してみたいという思いもありました。
 現地では、新地町図書館で本の貸出から配架、データ入力、本の廃棄など多岐にわたる業務を体験させていただき、合間には被害を受けた地域を案内していただきました。 
 図書館の業務を行うのは初めての経験だったので、思うようにいかないこともあり、とても大変でした。授業で教わっていることをいざ実践する、となるとまごついてしまい混乱することばかりでした。 図書館を利用しているだけでは触れないような図書の廃棄、選書などの仕事はもちろんですが、カウンター業務や図書の返却作業などの普段目にするような仕事でも、サービス提供側に立ってみると新たな発見がたくさんありました。
 
 私が主に利用しているのは大学図書館なので、新地町図書館のような「小さな街の図書館」がそういった図書館と比べてどのような特徴を持っているかを考えながら仕事をするのはとても面白かったです。現場の司書の方に直接お話を伺うことができるので、気になったことをすぐに質問できることができて、とても勉強になりました。
 
 新地町図書館ボランティアでは、実際にその地域で生活しながら仕事をするので、図書館職員の方や役所の方以外の町民の方とも触れ合う機会があります。現地の方との交流は、実際に図書館でボランティアとして活動する時に、どんなことに気をつけたら良いか、どんな風に利用者と接すればいいか、ということを考えるヒントになると思いました。
 
 また、そうやって利用者と本と触れ合ったことは、図書館の仕事だけでなく、私自身の「被災地」の捉え方にも変化を及ぼしました。テレビの枠でトリミングされた映像を見ているだけでは伝わってこないものも、実際に現地の人の話を聞いて、その土地で過ごしてみると少し見えてくるように感じました。「瓦礫」は誰かの家で、地震も津波も7年前に起きた映像の向こうの事ではなく、明日自分を襲うかもしれない現実なのだなということを再認識できたように思います。
 司書の仕事を研修させていただいたのもよい経験になりましたし、「災害」というものを見直す機会にもなったので、今回のボランティアでは本当に得るものが多かったと感じています。

           文学部2年 秋澤 奈緒