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『半世紀を超える音楽創作・研究ー伝統,融合,創造』実施報告

2016年11月04日
明治大学

会場となったグローバルフロント会場となったグローバルフロント

丹波氏(左)と宮川特任講師(右)丹波氏(左)と宮川特任講師(右)

映像を交えながら講演映像を交えながら講演

丹波氏による解説丹波氏による解説

今回登壇いただいた丹波明氏今回登壇いただいた丹波明氏

熱心に話を聞く学生熱心に話を聞く学生

この講演会では,フランスにおいて50年以上,作曲,音楽学研究,教育に従事されてきた丹波明氏に,これまでの音楽活動を振り返り,特に日本文化と西洋文化の融合とその可能性について,時には音楽を流しながら質問形式で語っていただいた。

まずどのような経緯で音楽を始めたか,という質問に対しては「僕には音楽しかなかった」と答えられた。1932年生まれということもあり,「決して男の子が音楽に夢中になることが好まれない時代」であったにもかかわらず,丹波氏は幼い頃から音楽に夢中で東京藝術大学作曲科に進んだのも極めて自然な成り行きだったそうだ。最初に受けた衝撃的な音楽の思い出がフランス人作曲家クロード・ドビュッシーの『牧神の午後への前奏曲』であり,この作品について語られる氏の姿には現在もこの作品への深い賞賛の思いが感じられた。

元々アメリカに行く予定だったのが,師匠の池内友次郎からフランス留学を勧められ,給費留学生としてフランスに1960年に渡った経緯では,船で3か月かけた旅をされた話がとても印象的だった。
パリ国立高等音楽院では,現代音楽の巨匠,オリヴィエ・メシアンとの出会いをきっかけに,日本の伝統音楽,特に能の研究に従事し,その成果をどのようにご自身の作品に取り入れてこられたかを説明された。20世紀の西洋の現代音楽で見られる「決定音楽」から「非決定音楽」への移行は,実は日本ではすでに雅楽から能への移行に見られるものであり,その点において日本の音楽が西洋音楽に全くひけをとらない芸術性が高いものであることを強調されていた。

ご自身の作品では弦楽四重奏とポテンショメータのための『Tathatâ』(タタター)(1969),シンセサイザー,オンド・マルトノ,エレキギター(2本),打楽器のための『Turbulences』(1978),三曲のための『音の干渉第一番』(1980)という異なった編成の三作品について語っていただいた。西洋の伝統的な作曲法や日本の伝統音楽の研究だけでなく,ピエール・シェフェールのもとでのミュージックコンクレートの研究や新しいテクノロジーを取り入れたアンサンブル・イティネレールとの共同作業からは,異文化だけではなく様々な時代をも横断するアプローチが見えてくる。しかし,そこには常に一貫した作曲法を構築する必要があることを強調され,それが日本の伝統的美学である「序破急」であることを説明された。

丹波氏の話す内容は高度で決して簡単なものではなかったが,参加した多くの学生がとても熱心に耳を傾けていたのが感じられた。「有意義な時間だった」,「日本の伝統音楽や現代音楽のような馴染みのない音楽を学ぶことができ,とても新鮮だった」,「高齢になられた現在も音楽への情熱を持ち続けられていることが素晴らしい」といった感想が多く聞かれた。

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