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明治大学体育会アーチェリー部(スポーツ編)

創部間もない夏合宿 男子王座 女子王座

 

アーチェリー部の歴史「明治は明治らしく」
 

アーチェリー部監督 玉田健治

 
 アーチェリー部は、1960(昭和35)年に創部し昨年創部60周年を迎えた。60年にわたり支援いただいた明治大学とアーチェリー部OBOG諸先輩に感謝している。1960(昭和35)年鈴木英世氏が体育会弓道部洋弓班を設立し、大学から洋弓班の活動実績が認められ1978(昭和53)年体育会41番目の部としてアーチェリー部となった。洋弓班として創部してからアーチェリー部となる18年間、鈴木英世氏をはじめ先輩諸氏のご努力は大変なものであった。創部された鈴木英世氏は、文武両道と学生主体の部運営を基本として文化風土を作り上げた。風通しの良いコミュニケーションと全員参加の団結力は、この文化風土から作られ部活動を通して社会で活躍する人財、創部以来約800名のOBOGを社会に送り出してきた。部員の9割以上が、大学に入学してからアーチェリーを始める未経験者で、大学に入り体育会でスポーツを始めようと考えている学生に広く門戸を開き約60名の部員数を維持している。部活動を通して、倫理観、法令順守、礼儀、諦めず結果を出す力、自ら気づき考え工夫し技能を高める力、そしてスポーツの持つフェアープレーの精神を学んでいる。
 部の目標は、団体は大学日本一になること、個人はインカレで優勝することである。大学日本一は、創部6年目の1965(昭和40)年に井原公右氏の代が関東学生アーチェリー連盟主催リーグ戦に優勝し大学日本一を決定する王座に勝ち大学日本一になった。今から55年前の事で、以来大学日本一になっていず再度大学日本一を獲得すべく練習に励んでいる。インカレ優勝は、1972(昭和47)年に佐々木昭一氏が成し遂げた。今から48年前のことで射場など練習環境が厳しい中で輝かしい成績を残し創部間もない時期の活躍に目を見張る。
 近年活躍した部員は、2016(平成28)年トルコアンカラで開催されたインドア世界選手権に部として初めて日本代表選手となった2016(平成28)年卒前田悠帆氏である。本戦では惜しくも敗れはしたが予選で2位594点の日本新記録を出した。現在は部のヘッドコーチとして部員の指導を行っている。また2018(平成30)年イタリアで開催されたフィールド世界選手権で個人女子銅メダルを獲得した2014(平成26)年卒深澤菜見氏である。我部の初めての世界選手権メダリストという快挙を成し遂げた。そして2019(令和元)年全日本コンパウンドターゲット選手権で優勝し全日チャンピオンとなった2014(平成26)年卒中村和音氏である。現在も部のコーチとして前田と共に部員の指導にあたっている。
 我部の練習環境を記すと、創部当初射場は大学構内になく和泉校舎近くの神田川沿いの空地を借り射場とした。毎日和泉校舎内の和弓道場から畳を運び的を設置したが、足腰を鍛えるには良かったが下級生にとって大変な日課であった。また京王線柴崎駅近くの線路近くの農地を借りて練習したこともあった。現在射場は明治大学八幡山グランド内にあり当時とは比較にならない恵まれた環境で大学に感謝している。我部は関東学生アーチェリー連盟リーグ戦1部校を長年維持し、今年(2020年)男子は新型コロナウイルス感染症の厳しい環境の中、関東学生王座予選をリーグ戦1部ブロック1位で通過し王座出場を決めた。現役の頑張りを誇らしく思う。創部60周年を迎え次の120周年に向け部の文化風土を大切に強い明治を作る所存である。