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明治大学体育会自転車部(スポーツ編)

上段 1973年弥彦インカレ・着用ジャージ   下段 明輪会(旧OB会)ジャージ 1975年東京~糸魚川ファストラン 2018年長野インカレ・チームパシュート 2019年長野インカレ・個人ロードレース 2019年長野インカレ・タンデムスプリント 2019年長野インカレ・明治大学チーム


自転車部の歴史

部長 山本 昌弘(商学部教授)      
監督 本間 滋              
駿台自転車倶楽部(OB会)会長 高橋 錦司  
 
 全日本大学対抗選手権自転車競技大会(インカレ)優勝校一覧によれば、1936(昭和11)年の創立記念大会から3回連続で明治大学が総合優勝を遂げている。張祐植、泉山貞義、李潤白、金潤昊といった諸先輩が活躍されていた。当初は、一部スケート部の選手が掛け持ちで学連の試合に出場していたが、自転車部としては上記年次を正式創部としている。
 その後、太平洋戦争をはさみ1956(昭和31)年まで活動が継続していたが、この翌年には登録選手が一人もいなくなり廃部となった。
 年を隔て、MCTCというサイクリング・クラブの中で競技指向の学生が、学連からの支援もあり、1973(昭和48)年の第29回インカレ(新潟県弥彦)から出場するようになる。
 当時の参加は、TT・スプリント・ロード競技に鳥海利仁・田辺達介・小出文雄・野村有三郎がエントリー、監督に井上祥一郎の布陣。なかでもこの時のロードレースでは、記録ポイントを通過する際にゼッケン番号を書いた荷札を投げ渡す方式で記録していたので、さながら辺りは花吹雪の様相であったという。
 こうして、体育同好会連合会(体同連)自転車部として活動を再開し、インカレをはじめとする学連の大会での入賞者を輩出するなかで、1985(昭和60)年に念願の体育会への再加盟を果たすことになる。この時、OB会も駿台自転車俱楽部(旧:明輪会)とした。
 着実な努力が結実し、中山俊行監督率いる1992(平成4)年の第48回インカレ(静岡県日本CSC)では並み居る強豪校を制し、柳沢正が個人パシュートで優勝するという快挙を成し遂げた。
 一方、女子選手の育成を強化するなかで、太刀川麻也は1998(平成10)年から3年連続でインカレ優勝、特に1999(平成11)、2000(平成12)年は2種目制覇、更に全日本選手権に優勝してアジア大会でも活躍していくことになる。その後も2002(平成14)年に女子ロードレースで大塚恵美が、篠崎新純は2004年に女子スプリント、2006(平成18)年に女子500タイムトライアルで、2007年には、女子ポイントレースで石井寛子が、それぞれインカレで優勝するなどして当時の日本を代表する女子選手を多く輩出した。
 2004(平成16)年夏からは、内木幸介監督による指導体制となり、髙山前監督の尽力もあり、秋田国体強化選手を中心に実力のある選手が在籍することとなる。地元秋田県大潟村で開催された全日本学生選手権チームロード大会において、2005(平成17)年に準優勝、翌年の第45回大会には念願の初優勝を達成することができた。
 立里匡道、守澤太志、根本哲吏、湯浅徹の4選手の頑張りとともに、OB吉井功治コーチ(1999年トラックワールドカップ・バレンシア大会 ポイントレース 2位)による朝練同走による実地指導、秋田県の高橋耕作特任コーチによる温かくも厳しいご指導の成果がここに結実した。
 2007(平成19)年には、内木監督から山上義明OBに2度目の監督が引き継がれた。その夏の第63回静岡インカレでは、3日間のトラック競技の各種目で万遍なく入賞して対抗得点を積み重ねた。最終日の個人ロードレースでは、最終周回において守澤が猛然とスパート、逃げに入る先頭から3分以上あった差を脅威の追い上げで逆転し、紫紺のジャージが両手を掲げてトップで入線した。さらに根本も対抗得点を獲得し、結果として、20有余年インカレ連覇中の王者日大を脅かす、明治としては過去(戦後)最高位のインカレ総合2位の成果を収めることができた。表彰式でメインポールにはためく紫紺の校旗は、自転車部関係者の目に熱く深く焼き付く出来事だった。2009(平成21)年静岡インカレ・ポイントレースでは、湯浅徹が並み居る強豪を押さえ優勝。
 現在はOB荒川和宏監督(2011~)から2014(平成26)年に引き継いだ本間滋監督(OB)の指導で着実に成績を残している。 
 2016(平成28)年静岡インカレ・個人ロードレースでは野本空が守澤に続く9年ぶりの優勝に輝いた。野本は2018(平成30)年長野インカレでもこの種目2度目の優勝を飾った。駿河台キャンパスの優勝垂れ幕も記憶に新しい。
 また、中・短距離種目での活躍もめざましく、特筆は、2017(平成29)年の「第86回全日本自転車競技選手権大会・トラックレース」の男子チームスプリント(板倉玄京・隈園郷史・荒川仁))の優勝。プロ集団や強豪大学チームを退けて悲願の“日本一”となった。2018(平成30)年第静岡インカレ・オムニアムでは渡邉慶太がこの種目の初代優勝者に、チームチームスプリント(隈園郷史・荒川仁・塩島嵩一朗)との2種目の優勝と複数の入賞種目により、12年ぶりに男子総合2位の成績を収めた。翌年には、明大初のタンデムスプリント(田川翔琉・甲斐俊祐)での優勝もあり、男子総合3位として2年連続でインカレでの表彰台を獲得した。
 2020(令和2)年。世界的な新型コロナのパンデミックにより明治大学卒業式、入学式が中止。インカレも中止(代替え大会の開催)となった。
 そして2021(令和3)年。今春、3代目部長(初代:市毛景吉・法、1985年~前:﨑章浩・経)に商学部の山本昌弘先生を迎えて、鈴井正敏(経営学部)副部長と本間監督以下6名の指導陣と17年ぶりの女子選手の入部者を含む25名の部員で第76回のインカレ総合優勝を狙います。
 競技力・礼儀作法・指導体制・OB組織、まだまだ課題ある状況ではあるが、現役・OB・そしてご家族の皆様と一体となって輝く伝統を積み上げていきたい。