Go Forward

A・Hさんの声 (2018年度参加:女子,参加当時2年生)

短期留学で学んだことへの将来への生かし方

Q1 研修に参加して良かったと思うことは何ですか?

  私は受験英語しかやってこなかった人間なので、外国の方とコミュニケーションをとったことがほぼない状態でした。ですから、英単語は知っていてもどうやって話したらいいかわからない、緊張して話しかけられないという日本人の典型のような悩みを持っていました。最初は表現が間違っていたらどうしようとかいろいろ考えて躊躇して話せなかったのですが、同じ年ごろで、同じ大学生で、しかも女性のPAが多かったこともあり、共通点が多く、次第に自分からも話しかけられるようになりました。PAの方は日本に興味を持っている人が多く、私たちにとても興味を持ってくれていて、とても話しやすかったです。もし英単語を忘れてしまっても周りの友達が助けてくれるし、簡単な英単語を並べただけでも通じるので、英語に自信がない人もそんなに心配する必要はないと思います。もちろん、1か月で完ぺきに話せるようにはなれませんが、英語を話す度胸や慣れはつくと思います。

Q2 研修に参加したことで、 どんな力がつきましたか? どんな点が成長したと思いますか?

  ケンブリッジでの授業は少人数でやる授業が多く、先生も常に私たちの意見や考えを聞くため、授業中に発言しやすい雰囲気です。そのため、みんなの前で発言することにためらいがなくなりました。また、インプットとアウトプットが同時にできる授業なのでその場でしっかり理解することができました。ディベートもたくさんやるので、ディベートへの苦手意識もなくなり、みんなで議論すると自分では思いつかなかったことが聞けたりするのでとても勉強になりましたし、楽しかったです。また、ケンブリッジで一ヶ月一緒に過ごした仲間はかけがえのない存在です。本当にずっと一緒にいるので、友達というより家族のような存在になります。苦労を一緒に乗り越えてきたという思いがあるので、固いきずなが生まれます。人間関係が希薄な大学生活ではこのような友達ができるのはとても貴重なことだと思います。

Q3 研修に参加したことで、今後の学習面と将来のキャリアに関し、どんな気づきがありましたか?

 最終週に模擬裁判をやるのですが、これがとても大変でした。まず、オールイングリッシュでイギリス法に基づいて行うというのがきつかったですし、毎日の授業の合間に準備をしなければいけなかったので、準備時間がタイトだったのも大変でした。しかし、こんな経験めったにできないですし、得るものは大きいと思います。私は弁護側のsolicitorという役職をやらせてもらったのですが、検察側の反対尋問を予測して答えを考える役割でした。検察側に勝つための戦略をみんなで連日夜遅くまでアイディアを出し合って決めるということは、正直体力的にはきつかったですが、一生の思い出になるようなかけがえのない経験になりました。みんなが同じ目標に向かって団結することは楽しいというのを再認識しました。イギリスの法律や法システムの知識を将来直接使うことはないかもしれませんが、教養としてとてもためになったと思いますし、ほかの国の法や法システムを学ぶことで日本のそれらの特徴をつかむことができました。今後日本で法律を勉強するときに役に立つと確信しています。

Q4 研修中の一番の思い出は何ですか?

 1番の思い出は週末の旅行です。週末課題やテストがあるのでゆっくり出かける時間はあまりなかったのですが、ロンドンとバースに行くことができました。学生の時期に、日本とは全く違う異国の文化に触れることはとても意味のあることだと思いました。一番印象に残っているのは、レ・ミゼラブルを本場で見てきたことです。劇中の英語は早くて聞き取れないところもありましたが、全編ほぼ歌だったので、全く飽きずに見ることができました。「言葉は通じなくとも伝わる感動がある」ということを初めて実感しました。ロンドンでは世界的に有名な大英博物館とセントポール大聖堂、ウエストミンスター寺院に行ったのですが、どれもスケールの大きさに思わず「おぉ」という声が漏れるくらい感動しました。いつも写真や映像で見ていたものを生で見ると、感慨深いものがあるなと思いました。また今度ゆっくり回ってみたいと思います。また、バースは小さな町で、有名な観光地を徒歩で回れてしまうのでおすすめです。町の名前通り、古代ローマの公衆浴場があり、テルマエ・ロマエの世界にいるような気分を味わえます。実際に異国の地でスパに入るという貴重な体験もできました。

Q5 未来の参加者へのメッセージ

 ケンブリッジでの生活はとてもハードです。普段の1限の授業よりも授業開始時間は早いのに遅刻にはとても厳しいし、週を重ねるごとに疲労感が増すのと比例して授業数が増え、ゆっくり休む時間がありません。また、寮で共同生活を送るので、1人になる時間が少ないのが大変でした。最初はこの生活が一ヶ月続くなんて耐えられないと思っていましたが、日を追うごとに慣れていき、ぎっしり詰まった1日が楽しくなりました(慣れってすごいですね)。日本で普通に夏休みを過ごしていたらケータイをいじってだらだら1日が終わるところを、異国の地にいるという緊張感で毎日規則正しい充実した日々を過ごすことができました。大変な分、約一ヶ月でかなり成長できたと実感できますし、終わった後の達成感はひとしおです。何より、「このプログラムを乗り越えることができた」という自分への自信につながりますし、この先に困難にぶつかったときに「あの時よりは辛くない」とか「あの時乗り越えられたから大丈夫」というポジティブな考えをすることができるので、この経験は将来絶対に生きてくると思います。貴重な大学の夏休みを利用してこのプログラムに参加する価値は十分にあると思います。