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第7回公開シンポジウム「あやなすことわり」

「あやなすことわり」~対話が誘う文理融合の世界~ 7月28日(木) 開催

 

開催期間:2022年7月28日
明治大学 研究ブランディング事業

Math Ubiquitous:数理科学する明治大学

明治大学研究ブランディング事業第7回シンポジウム

「文」は柔らかなことわり、「理」は直線的なことわりを象しています。
明治大学先端数理科学インスティテュート(MIMS)では、研究ブランディング事業「数理科学する明治大学」の活動をお伝えする公開シンポジウムを毎年開催しています。第7回目となる今回は、文と理を大きく包むMIMSの世界観:Math Ubiquitousをメインテーマに取り上げました。

■開催概要
開催日  : 2022年7月28日(木)13:00~15:05
開催方法 : リモート(Zoom Webinar)によるオンライン開催
視聴方法 : 事前登録制。視聴参加申込(無料) ライブ終了
オンデマンド配信中


■プログラム
開会挨拶 13:00~
 俣野 博(研究・知財戦略機構 特任教授、MIMS所長

第一部 ジャズな鼎談「ゆらぐ世界に生きる」13:05~13:30

第一部では、文・理、さらには芸術の視点までも取り込んだ融合教育や社会のあり方について融通無碍に語り合う、豪華トリオのセッション(鼎談)をお楽しみください。
ジャズピアニスト、数学研究者、大阪・関西万博テーマ事業プロデューサー、STEAM教育者など、多種多才な活動を展開している中島さち子氏と、体育会ラグビー部の前部長として尽力し、現在は本学のトップとして教育改革や国際連携に力を注ぐ大六野耕作学長との初めての対談が実現しました。教育や国際化はもとより、異質性・違和感を起点とする自己認知、あそび、ゆらぎ、自己組織化など、硬軟交えたキーワードが自在に行き交う「フリーセッション」を支える進行役(兼鼎談者)は、物理学者として著名な西森拓・MIMS副所長です。

鼎談者プロフィール

大六野耕作 学長 中島さち子 (株)steAm CEO 西森拓 特任教授

大六野 耕作
明治大学学長、政治経済学部教授
1954年、福岡県生まれ。1977年明治大学法学部卒業。同大学院政治経済学研究科博士後期課程単位修得退学。
専門は比較政治論。政治経済学部長や副学長(国際交流担当)等数多くの要職を歴任。また、デューク大学、ノースイースタン大学、ラオス国立行政学院、ラオス国立大学でも教鞭をとるなど、国際的にも活躍。明治大学体育会ラグビー部の部長を長年務めた。

中島 さち子
ジャズピアニスト・数学研究者・STEAM教育者・メディアアーティスト
(株)steAm 代表取締役、(株)STEAM Sports Laboratory 取締役
2025大阪・関西万博テーマ事業プロデューサー(「いのちを高める」)
内閣府STEAM Girls Ambassador、東京理科大学 数学体験館 副館長、明治大学研究・知財戦略機構 客員研究員、国際数学オリンピック金メダリスト(1996年)

西森 拓
明治大学研究・知財戦略機構特任教授、先端数理科学インスティテュート(MIMS)副所長
1959年高知県生まれ。東京理科大学卒業後、東北大学(修士課程)、東京工業大学(博士課程)修了。
京都大学、茨城大学、広島大学などを経て2020年より現職。専門は非平衡系の物理学、現象数理学(自然・生命・社会現象の数理モデリング)。現象と数理科学の融合を目指し、実験や観測にも積極的に参加。

第二部 Math Ubiquitous 13:30~15:00

数学は、あなたの身の回りのあらゆるところに溢れています。
第二部では、感性、折り紙、錯視という3つのテーマを取り上げ、斯界の第一人者が研究成果を紹介します。一見、数学とは関係のなさそうなモノやコトが、実は数学の言葉によってさらに輝きを増し、応用技術につながることを、専門的な知見も交えながら分かりやすく解説します。

講演1 「美顔を数理科学する」13:30~14:00

荒川 薫(総合数理学部長、同教授)

荒川 薫 学部長

画像工学の分野では、数学的理論に基づいて、雑音を除去して主要な成分を強調し、画像を綺麗にはっきりと見せるということが行われていますが、同じ原理を顔画像に用いると、肌のシミやしわのような美観を損ねる成分を除去し、顔の陰影を強調して、彫りの深い美肌化された顔画像を得ることができます。本講演では、この数学を使って、個人の好みを反映させながら顔画像を美観化する方法について解説します。

講演者プロフィール
1980年東京大学工学部卒業。1986年同大学院工学系研究科博士課程修了。この間、カリフォルニア工大留学。工学博士。東京大学工学部助手を経て、1989年明治大学理工学部専任講師、1998年同教授、2013年総合数理学部教授。専門は、知覚情報処理。「機械学習に基づく知的画像処理に関する先駆的研究」で2021年度SCAT会長大賞受賞。

講演2 「日本文化が育んだ折紙・扇面の数理」14:00~14:30

萩原 一郎(研究・知財戦略機構 研究特別教授)

萩原一郎 研究特別教授

美しい風景と明確な四季は、1年周期の繰り返し作業を徹底させ整理整頓の畳む文化をもたらした。また、創意工夫の風土を育み世界初の折畳める和紙を誕生させた。世界各地でほぼ同時に誕生した、虫をよけ火おこしに使用された扇は、日本でだけ折畳み扇となり世界を驚嘆させた。二次元からの三次元化には美しい数理が存在する。この美しい数理をもとに和紙や折畳み扇のような優れた文化を創出するのは今を生きる我々の責務でもある。

講演者プロフィール
1972年京都大学大学院修士修了後、日産自動車(株)、東京工業大学などを経て、2012年より明治大学所属。東京工業大学名誉教授。第22期,23期日本学術会議会員。中国ハルビン工業大学、上海交通大学、華中科技大学などの客員教授を歴任。専門は計算折紙工学、最適化、最適制御など。日本応用数理学会・日本機械学会・日本シミュレーション学会・日本計算力学連合各名誉員。米国機械学会・亜細亜シミュレーション連合・自動車技術会各フェローなど。

講演3 「人が錯視を起こすのは、生きるため」14:30~15:00

杉原 厚吉(研究・知財戦略機構 研究特別教授)

杉原厚吉 研究特別教授

モノが実際とは違うように見えてしまう錯視は目で見た情報を脳がいい加減に処理するために起こると思われがちですが、決してそんなことはありません。目で見て奥行きを読み取る問題は、数学的に見ると答のない難問で、間違えるのは当たり前なのです。むしろたいていの場合に正しい答を出すことこそ奇跡と言っていいでしょう。錯視を観察しながら、脳が生きるためにほぼ最善の選択をしていることを論じたいと思います。

講演者プロフィール
1948年岐阜県生まれ。1973年東京大学大学院修士修了後、電子技術総合研究所、名古屋大学、東京大学などを経て、2009年より明治大学所属。専門は数理工学。視覚の数理モデルを用いて不可能図形を立体化するなどさまざまな錯視を創作し、立体錯視アーティストとしても活躍。国際ベスト錯覚コンテスト優勝4回。


閉会挨拶 15:00~ 荒川 薫(総合数理学部長)
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