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2024学部ガイド座談会

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コロナ禍における 課題克服と学生の変化

——コロナ禍を経て、教育面で変化したことについてお聞かせください。

南後 由和 准教授

南後:ゼミ活動の在り方が変わったと感じています。私は主に都市、建築、空間をテーマに授業を行っており、ゼミではフィールドワークも多かったのですが、コロナ禍で制限され、従来とは違う方法を模索せざるを得ませんでした。そこで新たな取り組みとして、武蔵野美術大学の学生と協働で、『Tokyo Scope』という本を、2021年度から年1回ペースで制作・出版しています。2つの大学の間にはそれなりに距離がありますが、打ち合わせをWeb会議システムで行うことで、ぐっと作業のハードルが下がりました。また、今の学生たちはソーシャルメディアなどで大量の情報に触れてはいるものの、それらの多くは流れていくものです。それに対して、本という紙に文字を定着させ、自分たちで情報を発信することには責任がともないますが、『Tokyo Scope』を通じて、その醍醐味を学生たちが学んでくれたのは有意義なことでした。

清水 晶紀 准教授

清水:2022年度から情コミはクォーター授業(※)といって、一部の授業を遠隔と対面、半々の割合で行うようになりました。遠隔だと何度も動画を繰り返し学習できるメリットがあるので、基礎知識は資料と動画での事前学習で培い、対面では応用的な論点の解説や演習の時間に充てるなど役割を明確に分けています。この方法は学生からも好評です。ただ、自ら学ぶ意思がなければ授業についていくのは難しいスタイルだとも言えます。そのため、学生には主体性を持って学習に取り組んでほしいです。
※クォーター授業では、遠隔と対面の半々で行う授業に加えて、全て対面で実施する授業もあります。

須田:「大学教育とは」と自分に問い続けた3年間でした。変わったと実感したものの一つに、学生の意識の変化が挙げられます。コロナ禍で大学に通えず、オンライン授業ばかりになり、「何のために大学で勉強しているのか」深く考えるきっかけになったと思うのです。授業の在り方について直接意見を伝えにきてくれた学生もいたほどでした。学生にとって自分のやりたいことを見つめ直したり、学んだことを深掘りしたりと、内省する時間も多かったのではないでしょうか。
 

——学生の皆さんにとって、コロナ禍はどのような変化をもたらしたのでしょうか。

ジャヤビクラマ 幸一さん(2年)

ジャヤビクラマ:対面授業が復活してもオンデマンド授業が残り、時間の余裕ができている今の状況を生かし、様々なことにチャレンジするようになりました。興味のある本を読んだり、他学部の授業を履修したりもしました。Compalと呼ばれる学部の広報活動団体に所属して、情コミの魅力発信にも努めています。授業を受けるだけでなく、そこで得た力を具体的な活動に生かすことが大切だと思うので、クォーター授業を始めた情コミで学べてよかったです。

村上:コロナ禍以前、歴史と言えば当時の為政者や政治的な動きに焦点を当てて学ぶことが多かったのですが、コロナ禍で大きな世論が民衆から生まれる様子を見て、市民に焦点を当てた歴史学を研究したいと思うようになりました。新たな視点で物事をとらえられるようになったと感じます。
 
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