2018年度 明治大学法科大学院・ 継続教育(集中講義)のご案内
2018年度継続教育テーマ
「損害賠償訴訟と人権運動」
~医事関係訴訟を中心に
本センター顧問である鈴木利廣による、継続教育が本年度も実施されます。
本年度は、集中講義型で前期・後期の2回開催されます。
参加を希望される方は、電子メールにて、氏名・所属を記入の上、
明治大学医事法センターへお申込みください。
2018 年度は2017 年度につづき、2015年度、2016年度の損害賠償訴訟についての講義(6 コマ)を4コマに圧縮して、人権運動としての位置づけや国民的運動論を追加しました。
損害賠償訴訟は、一方で日常的な紛争形態であり、また他方で現代型訴訟、政策形成訴訟とも呼ばれ先端紛争の解決法でもあります。
他方で、医療事故・薬害等の医事関係訴訟は専門訴訟・大規模訴訟の一分野として進化してきた訴訟手続でもあります。
この講義は、これらの訴訟技術を人権運動の手段として活用するための講義です。
医事関係訴訟という展開先端的実務を素材に、理念を位置づけた損害賠償責任要件論と民事訴訟手続の「基礎」と「展開」を、弁護士実務を経験して知る日々の苦労を実感している若手弁護士と共に考えたいと思い、企画しました。
下記「講義のポイント」項目を中心に、当日配布の詳細レジメに沿って講義を行います。
原則は、明治大学法科大学院修了生で弁護士登録者が対象ですが、その他の弁護士の参加も例外的に認めていますので、お誘い合わせてお申し込み下さい。
申込先は専門法曹養成機関(医事法センター)です。(メールアドレスは下記)
春学期は1日目が7月21日(土)、2日目が22日(日)、
会場はグローバルフロント 403B教室
秋学期は1日目が1月26日(土)、2日目が27日(日)、
会場はグローバルフロント 404K教室
グローバルフロントの場所については
キャンパスマップをご覧ください。
いずれも1日目は13時~18時、2日目は10時~16時(昼休みを含む)の集中講義です。
1.人権運動と修復的正義論
・人権運動の目的と理念と戦略
・理念としての修復的正義論
2.展開的損害賠償責任要件
(1)因果関係論
・損害賠償責任構成に被害の実相(被害者の思い)を反映させる
・損害賠償責任要件の土台は因果関係論
・因果関係は終点(法益侵害)からその起点たる原因(行為論)に遡る
・行為は可能な限り作為として構成する
(2)注意義務違反論
・不法行為構成と債務不履行構成更には無過失責任を比較する
・専門職や行政等の安全配慮義務を定立する
・行為の帰責事由(注意義務違反)について、過失と違法性を再検討する
(3)損害論
・金銭賠償主義の再検討
・慰謝料の再検討
・人身損害の損害論の多様化とバラつきの再検討
3.戦略的民事訴訟手続
(1)計画審理、争点整理
・漂流型審理から計画審理へ
・計画審理・争点整理を主導し、証拠調前の心証形成を容易にする
(2)集中証拠調
・五月雨式証拠調から集中証拠調へ
・心証形成を容易にする争点中心の尋問方式
(3)鑑定
・専門家意見を訴訟へ反映することの意義
・専門家意見の法律的評価のあり方
・鑑定依存型心証形成から鑑定評価型心証形成へ
4.弁護士の使命と国民的運動
・弁護士法1条
・国民的運動としての被害者の連帯、支援者の組織化、報道との共斗、国会対策 等々
(資料)
上記2及び3の講義では、随時、当日配布の別添資料を使用
(資料1)損害賠償責任要件の比較
(資料2-1)医療過誤:最判破棄一覧
(資料2-2)医療過誤:その他重要最判一覧
(資料3-1)医療過誤・因果関係:最判一覧
(資料3-2)医療過誤・因果関係:最判紹介
(資料3-3)医療過誤・因果関係の起点:最判の混乱
(資料4-1)医療過誤・注意義務違反判断基準:最判一覧
(資料4-2)医療過誤・注意義務違反判断基準:最判紹介
(資料4-3)安全確保義務に関する判例
(資料5-1)医療過誤・説明義務違反:最判一覧
(資料5-2)医療過誤・説明義務違反:最判紹介
(資料6)医療事故事案における損害論の特殊性
(資料7)医療過誤:わかりやすい訴状書き方試案
(資料8)医療過誤訴訟における争点整理の手法
(資料9)鈴木式「敵性医師尋問の心得」
(資料10)被害者尋問の意義
(資料11-1)医療過誤・鑑定評価:最判破棄一覧
(資料11-2)医療過誤訴訟における鑑定結果の評価について
参加を希望される方は、明治大学医事法センターまで
メール(medilaw※meiji.ac.jp:※を@に変更してください)をお願いいたします。
以 上