コーヒー、アルコール、シロップ…これらの言葉は実はアラビア語由来だとされています。中世期のアラブ世界は科学研究の最先端を行き、その後西洋世界がアラブ域の科学をその言葉とともに取り入れたことで、これらの単語は今も世界中で使用されています。アラビア語は古代ギリシアの知恵を保持し、発展させ、西洋へと架橋する役割を担った言語なのです。
現在アラビア語はアラビア半島を中心に、アフリカ域を含め約30か国あまりの国々において公用語とされる、多くの話者を抱える言語となっています。またアラビア語はイスラム教徒の聖典である『クルアーン』の言語でもあるため、世界中に暮らす約17億人とも言われるイスラム教徒の共通言語とも言えるでしょう。『クルアーン』は読誦した際の美しさで知られますが、アラビア語の音の持つ美しさは、今も変わらず人々を魅了してやみません。西洋について学ぶ際にも、またアラブ、アフリカ域について学ぶ際にも、アラビア語は大いに役立つことになるでしょう。